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米外交イラン核協議を妨害する共和党議員は裏切り者か愛国者か
オバマの核交渉の進展を阻む共和党の「裏切り」行為は許されるのか
強硬手段 イランに書簡を送ったマコネル院内総務(右から2人目)ら47人の共和党議員 Jonathan Ernst-Reuters
イラン指導部宛ての公開書簡に署名した47人の米共和党上院議員は裏切り者なのか? 賛否をめぐって議論が巻き起こっている。
イランとアメリカ、ロシアなど6カ国との間で続く、イラン核問題をめぐる協議は、今月末に交渉期限を迎える。イラン指導部あてに送られた書簡は、オバマ政権と何らかの合意に達したとしても徒労に終わるかもしれない、と警告するもの。
イラン核協議では、イラン政府に核兵器の開発を放棄させる一方、エネルギー利用のための平和的な核開発は認める妥協策を模索している。だが共和党強硬派は、それでは弱腰過ぎるとオバマやケリー国務長官に対する苛立ちを募らせてきた。
そこで書簡は、オバマがどんなを約束しようと米議会が認めなければ行政上の合意に過ぎず、通常の大統領令と同じく次期大統領が反故にできる、とイラン側に知らせる内容になっている。オバマ政権側は、この書簡は繊細な国家間交渉を頓挫させかねないものだと非難している。
議論はツイッター上でもヒートアップ。オバマ政権支持者が「#47Traitors(47人の裏切り者)」のハッシュタグで共和党議員への怒りを爆発させると、共和党議員の支持者は「#47Patriot」(47人の愛国者)のハッシュタグで反撃、オバマ政権支持者が「書簡を送った議員は全員、議会から追放すべきだ」と言えば、共和党議員支持者は「彼らは独裁者オバマを止める愛国者だ」と言い返す。
この書簡は、米政府の対外交渉に影響を与える目的で外国勢力と接触することを禁止する約200年前に成立した法律に違反するという指摘がある。この法律に基づいて訴追されたのは、かつてフランスと結託して西部州の分割を要求したケンタッキーの農夫だけで、有罪にもなっていない。
アメリカン大学のスティーブ・ブラデック教授(法学)がアップしたブログによると、書簡を送った共和党議員が実際に訴追される可能性はほとんどなさそうだ。