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米犯罪顔食い男と、疑われた薬物「バスソルト」
ホームレスの顔面を食いちぎった男からは合成覚せい剤「バスソルト」は検出されなかったものの
マンイーター 射殺された「マイアミ・ゾンビ」、ユージーン Miami-Dade Police Department-Reuters
全裸で生きた人間の顔を食いちぎり、警察の銃弾を受けても食べ続けた「マイアミ・ゾンビ事件」から1カ月。男性ホームレスの顔面を襲ったとされる容疑者ルディ・ユージーン(31)の体内からは、使用が疑われた脱法ドラッグの「バスソルト」は検出されなかった。フロリダ州マイアミ・デード郡検視局の検視官が27日、明らかにした。
検視局によれば、ユージーンの体内から検出されたのは大麻成分だけで、他にコカイン、LSD、覚せい剤、ヘロイン、合成マリファナといった麻薬成分は見つからなかった。アルコール、処方薬、麻薬用混合物も確認されず、ユージーンの異常行為の原因ではないかと疑われた合成覚せい剤バスソルトの成分も検出されなかった。
ユージーンは5月26日、幹線道路上でホームレスの顔面を食べているところをマイアミ・ヘラルド紙社屋の遠隔カメラによって撮影された。現場に駆け付けた警察が止めようとしたが、ユージーンが従わなかったため、警官にその場で射殺された。
マイアミ・ヘラルド紙によれば、被害者のホームレスは回復に向かっている。ただ額と頬を含む顔面の約50%がかみちぎられており、脳に外傷があるほか、感染症にもかかっている。胸部にもかまれた傷があるという。
バスソルトは多くの州で禁止されているものの、連邦法による規制がないためネットやコンビニで容易に入手できる脱法薬物だ。覚せい剤成分のアンフェタミンや中枢神経系を刺激するメフェドロンを含み、被害妄想や攻撃性の増大を招く。体温が上昇する場合もあり、容疑者のユージーンが全裸だったことからバスソルトの使用が疑われていた。
ユージーンがなぜこのような奇怪な行動に走ったか、本人が死んだ今となっては分からない。今回の事件でこそ「無実」だったが、全米でバスソルト摂取後に他人の顔にかみついたり、自分を傷つける事件が多発している。
ソンビの恐怖が繰り返される日は遠くないかもしれない。