司令塔サマーズの後釜は誰だ
ダイアナ・ファレル
NEC副委員長でサマーズの右腕のファレルは、同じく副委員長のジェーソン・ファーマンと共に有力候補とみられている。ホワイトハウス入りする前は、大手コンサルティング会社マッキンゼーや投資銀行大手ゴールドマン・サックスで働いた経歴を持つ。
しかし国外アウトソーシングの熱心な支持者だったことなどから、リベラル派の一部からは巨大多国籍企業の味方ではないかと疑われている。政権にとってリスクの高い選択だ。
アン・ファッジ
食品大手クラフト・フーズの幹部、広告代理店ヤング・アンド・ルビカム・ブランズのCEO(最高経営責任者)を経て、今はゼネラル・エレクトリック(GE)や製薬大手ノバルティスなど大企業数社の取締役を務める。女性経営者候補として有力視されている。
オバマ政権が作った赤字削減のための超党派委員会のメンバーにも入った。ホワイトハウスでも知名度が高い証拠だ。製薬大手の役員を重用するのはイメージが良くないが、英ブックメーカー(賭け屋)サイト、パディパワーでは1番人気になっている。
アン・マルケーヒー
ゼロックスの前CEOで、今は大統領経済再生諮問会議のメンバーとして活躍している。ウォールストリート・ジャーナル紙が彼女を最有力候補に挙げるなど、保守系メディアの後押しを受けている。9月24日には、ワシントンで大統領補佐官(内政担当)のバレリー・ジャレットと一緒に夕食をしているのが目撃されている。
リチャード・パーソンズ
GEのジェフリー・イメルトと並んで噂に上っている男性経営者。タイムワーナーAOLのCEOを経て、今はシティグループの会長を務める。だが、いくらオバマが反企業の汚名を返上したいといっても、パーソンズを起用することで政治的にどれだけ点数を稼げるかは未知数。世間の反発が強い大手銀行のトップを指名すれば、国民の猛反発を食らう可能性がある。
ローラ・タイソン
もしオバマが経営者より経済学者を選ぶなら、彼女は最良の選択肢と言えるだろう。クリントン政権でもNECとCEAの委員長を歴任し、今は経済再生諮問会議のメンバーとしてオバマに助言を行っている。製造業の再興が持論で、追加的な景気刺激策を支持していることなどを考えても、リベラル派には歓迎されるだろう。
[2010年10月 6日号掲載]