「オバマ受賞」に憤る人ベスト6
サルコジからブラピまで、ノーベル平和賞の行方に「異議アリ!」の面々
賛否両論 サプライズ受賞にオバマ自身も困惑気味だ(10月9日) Jason Reed-Reuters
バラク・オバマはアメリカ大統領の座を勝ち取り、著書のオーディオブックでグラミー賞最優秀朗読アルバム賞にも輝いた。そして、今度はノーベル平和賞だ。いまやオバマが手に入れられないのは、アリゾナ州立大学の名誉学位くらいのものだ(オバマは今年5月に同大学の卒業式でスピーチしたが、大学側は「業績不足」として名誉学位の授与を見送った)。
ただし、この受賞を不快に思っている人は少なくない。なかでも特に強い憤りを感じているであろう6人をリストアップした。
(1)ニコラ・サルコジ
オバマの友人でありライバルでもあるサルコジ仏大統領は、米大統領の「影」として生きることにすでに嫌気が差している。
ファッションセンス抜群で有名人の妻を得て、サルコジは世界のどの指導者よりもスポットライトを浴びる存在だった。ところがオバマ大統領の誕生によって突然、栄光の座を追われる羽目に。数カ月後には、オバマをうぶで経験不足とけなしたことが発覚。オバマのノーベル賞受賞が報じられた10月9日朝には、オバマへの「心からの喜び」を表明したが、本音では「消え失せろ」と思っていることだろう。
(2)ミシェル・オバマ
汗臭くていびきのうるさい夫が大統領になったと思ったら、次はノーベル賞。ファーストレディのミシェルは、夫が過剰なうぬぼれに溺れないよう日々格闘しているはずだ。今では、夫に家事の手伝いをさせるのも一苦労では?
(3)ビル・クリントン
オバマ受賞のニュースを聞いたクリントン元大統領は、静かに怒りを爆発させたことだろう。オバマは大統領選で妻ヒラリーを打ち破った。さらに、黒人に人気の高かった自分を差し置いて「初の黒人大統領」の称号まで手に入れた(大統領選の最中にオバマを批判したクリントンの発言が人種差別と非難される事件もあった)。
そして、今度はノーベル賞。クリントンは妻の前で何度、無様な姿をさらさなくてはならないのか。
冗談はさておき、クリントンはルワンダの大量虐殺に対して行動を起こせなかったことをひどく気に病んでおり、大統領の任期の後半を平和の追求に捧げた。北アイルランド和平を推進し、仲介役として友人のジョージ・ミッチェルを派遣した。バルカン半島の安定のために米軍を派兵し、キャンプデービッドでの中東和平交渉では歴代大統領の誰よりも合意に近づいた。
それでも、ノーベル賞には縁がなかった。副大統領だったアル・ゴアでさえ受賞したのに。しかも、今回オバマが受賞したことで、ノーベル賞委員会が近い将来、米大統領経験者に平和賞を与える可能性はほとんどなくなった。