産休後進国アメリカの愚
2009年10月6日(火)12時44分
育児投資はGDPの3割
子供の養育は、社会の未来にとって必要不可欠なこと。しかし、人生を左右するほどの責任を社会から負わされる親たちへの支援は不十分だ。
子育てを「個人的な選択」と決めつけて社会の責任を認めないのは、その恩恵にただ乗りするのと同じことだ。ある試算では、親による子供への投資(逸失賃金を含む)はGDP(国内総生産)の20~30%に上る。こうした投資が大きな社会的便益を生めば、子育て支援の意義がより明確になる。
財政赤字などの理由から、アメリカでは連邦政府職員の有給出産休暇を保障する法案を成立させるのは難しそうだ。成立しても、アルストットが言うような社会と親の「双方向の責任」を果たせるようになるのはずっと先だろう。
先行きが不透明なこの時代に子育て政策を充実させるには、オーストラリアの労働党がやったように、家族を守るという言葉で保守派の価値観に訴える以外に方法はないのかもしれない。
[2009年9月 9日号掲載]
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