ジンベエザメの求愛行動に新発見...オスがメスに「噛みつく」理由とは?
World's Largest Fish Spotted Biting Before Sex in Rare Video
「メスがオスを拒絶」の理由とは
この珍しい行動は、オーストラリア西部沿岸のニンガルー礁で確認された。この場所は、ジンベエザメの求愛行動がこれまでに観察されたわずか2カ所のうちの1つである。
2024年5月の調査遠征中に撮影された映像には、オスがメスの後を追いかけ、彼女の体に噛みつこうとする様子が記録されていた。
論文によると、オスのジンベエザメはメスの6~10フィート(約1.8~3メートル)後方を泳ぎながら、口を開いてメスに向かって突進したという。
「オスのサメは遊泳速度を上げ、メスの尾びれに向かって再び突進した。今回は実際に接触し、短時間ではあるが尾を噛んだ」と研究者たちは記している。
興味深いことに、この追跡や噛みつき行動は最終的に交尾には至らなかった。しかし、他のサメの求愛行動と類似していることから、研究者たちはこれが求愛行動の一環である可能性が高いと考えている。
「ジンベエザメが属する軟骨魚類の中では、追跡や噛みつき行動は一般的な交尾行動とされている」と、研究共著者であり、マードック大学ハリー・バトラー研究所およびオーストラリア海洋科学研究所の博士課程候補生であるクリスティン・バリー氏は声明で述べた。
「これはまた、漁師たちが異なる集団発生地で成熟したオスがメスに向けて行っていると報告してきた行動とも一致している。」
これまでの数少ないジンベエザメの性的行動の観察では、オスがメスを追跡した後、メスの下で腹を向かい合わせにする姿が目撃されている。
「今回観察された個体が深海に潜った後に交尾が行われた可能性はあるものの、メスは明らかにオスの関心を拒否しているように見えた」と研究者たちは記している。
これは、メスがまだ完全に性的成熟に達していなかった可能性があり、その小さな体格がその証拠であるかもしれない。