最新記事
動物考古学

鳥類進化の長年の論争に決着? 現生鳥類の最古の頭骨化石を発見

Earliest Bird Discovery May Settle Long-Running Mystery

2025年2月13日(木)12時00分
イアン・ランドール

化石から判断すると、6600万年前の南極は温暖な気候で植物が生い茂り、ガンやカモの祖先が進化するには理想的な環境だった。

「南極は現生鳥類の最も初期の段階について多くを物語っていることが、この化石で裏付けられた」。論文共著者でオハイオ大学教授のパトリック・オコナー氏は声明でそう解説している。

恐竜時代の終わりまでさかのぼって、世界の南極以外の場所で見つかった鳥類を現代の鳥類と比べると、同じ鳥とは思えないほど違いが大きいという。

「マダガスカルやアルゼンチンのように、白亜紀後期の鳥類の化石が確かな記録として残る数少ない場所では、歯や長い骨の尾をもつ奇妙な鳥類が生息していた。今は絶滅してしまったそうした種は、現生鳥類とは遠く離れた関係しかない」とオコナー氏は解説する。

「南半球の最果ての地、特に南極では、全く違うことが起きていたようだ」

そうした理由から、南極大陸が現代の生態系に残した痕跡は古生物学者にとって非常に関心の高いテーマとなっている。

論文共著者でカーネギー自然史博物館の古生物学者、マシュー・ラマンナ氏は「南極は多くの意味で、恐竜時代の生命を解明しようとする人類にとって最後の未開拓地となっている」と結論付けた。

(翻訳:鈴木聖子)

20250218issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年2月18日号(2月12日発売)は「ガザ所有」特集。和平実現のためトランプがぶち上げた驚愕の「リゾート化」計画。現実になる公算は?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

トランプ米大統領、13日に相互関税発表へ SNSに

ワールド

独ミュンヘンで車突っ込み28人負傷、アフガン人運転

ビジネス

ホンダと日産、経営統合の構想とん挫 子会社化案で合

ビジネス

日産、今期800億円の最終赤字予想 リストラ費用1
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザ所有
特集:ガザ所有
2025年2月18日号(2/12発売)

和平実現のためトランプがぶち上げた驚愕の「リゾート化」計画が現実に?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だった...スーパーエイジャーに学ぶ「長寿体質」
  • 2
    2025年2月12日は獅子座の満月「スノームーン」...観察方法や特徴を紹介
  • 3
    【徹底解説】米国際開発庁(USAID)とは? 設立背景から削減議論まで、7つの疑問に回答
  • 4
    フェイク動画でUSAIDを攻撃...Xで拡散される「ロシア…
  • 5
    【クイズ】今日は満月...2月の満月が「スノームーン…
  • 6
    【クイズ】アメリカで「最も危険な都市」はどこ?
  • 7
    iPhoneで初めてポルノアプリが利用可能に...アップル…
  • 8
    暗殺犯オズワルドのハンドラーだったとされるCIA工作…
  • 9
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 10
    便秘が「大腸がんリスク」であるとは、実は証明され…
  • 1
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 2
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だった...スーパーエイジャーに学ぶ「長寿体質」
  • 3
    戦場に響き渡る叫び声...「尋問映像」で話題の北朝鮮兵が拘束される衝撃シーン ウクライナ報道機関が公開
  • 4
    Netflixが真面目に宣伝さえすれば...世界一の名作ド…
  • 5
    研究者も驚いた「親のえこひいき」最新研究 兄弟姉…
  • 6
    メーガン妃の最新インスタグラム動画がアメリカで大…
  • 7
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 8
    教職不人気で加速する「教員の学力低下」の深刻度
  • 9
    2025年2月12日は獅子座の満月「スノームーン」...観…
  • 10
    iPhoneで初めてポルノアプリが利用可能に...アップル…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 6
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 7
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 8
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 9
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中