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動物考古学

鳥類進化の長年の論争に決着? 現生鳥類の最古の頭骨化石を発見

Earliest Bird Discovery May Settle Long-Running Mystery

2025年2月13日(木)12時00分
イアン・ランドール
「進化の分岐点」を探る鍵...最古の鳥類の完全頭骨化石を南極で発見(画像はイメージです)

「進化の分岐点」を探る鍵...最古の鳥類の完全頭骨化石を南極で発見(画像はイメージです)

<約6900万年前、ティラノサウルスが闊歩していた時代に生息していた鳥類「ベガビス・イアアイ」。そのほぼ完全な頭骨化石が南極で発見された。この発見により、現生鳥類の進化をめぐる長年の論争に決着がつくかもしれない>

現生鳥類の最古の種の頭骨化石がほぼ完全な形で見つかった。鳥類の進化の歴史をめぐる長年の論争を決着させる手がかりになるかもしれない。

この化石が見つかった絶滅種「ベガビス・イアアイ」は現代のガンやカモの親類にあたる。生息していたのはおよそ6900万年前、ティラノサウルスが北米を歩き回っていた時代だった。

ベガビスが初めて記録されたのは20年前。当時は現代の鳥類の仲間とする説が有力だったが、最近の分析でこの説に対する疑問が浮上した。

論文著者でパシフィック大学教授(古生物学)のクリストファー・トーレス氏は、「古生物学者の間でベガビスほど論争を巻き起こしそうな鳥はほとんどいない」と語る。トーレス氏はオハイオ大学在籍中にこの研究を行った。

「この新しい化石は、そうした論争の多くを決着させる助けになるだろう。中でも、ベガビスは鳥類の進化の系統樹の中でどの枝にとまるのかというのが最大の論点だった」(トーレス氏)

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