AIはもうここまで生活と仕事を変えた...いずれ奪われるこれほど多くの職種
LIFE-CHANGING AI
法律関連業務も、いずれ特定のタスクを処理するAI頼みになるかもしれない。投資銀行大手ゴールドマン・サックスが3月に発表したレポートによると、AIは今後数年で法律業務の45%近くを担えるようになるという。理由は、法律事務所の弁護士やスタッフが現在行っている仕事の多くは、膨大な量の書類に目を通して特定の情報を探し出し、その結果を要約したり標準的な契約書を作成したりするものだからだ。
「AIはこうしたルーティンワークを弁護士より素早くこなせる」と、カリフォルニア大学バークレー校の法律・テクノロジーセンターで共同ディレクターを務めるブランディ・ノーネキは言う。ただし、「ある案件に関連があるものとないものを識別したり、法的戦略を指揮するといった高度な法務活動を扱うことはまだできない」という。
既にAIを使ってクライアントに助言している法律事務所もある。カリフォルニアのオンライン法律サービス会社ドゥノットペイは、駐車違反などの軽微な法律違反に問われた被告が弁護士抜きで対処できるように、AIによる支援を提供中だ。
同社はAIの出力結果をリアルタイムで人間の弁護士に送り、法廷で読み上げさせるサービスも計画していた。だが今年1月、関与した弁護士の資格を剝奪すると州弁護士会に警告され、計画を撤回した。
企業ではもうすぐ、数百万人のオフィスワーカーがAIと一緒に働くようになりそうだ。例えば人事部門はAIを使って数万件のオンライン履歴書を数秒で選別し、求人要件に合致したスキルや経験を持つ候補者を絞り込む。人事担当者250人を対象にした調査では、92%がAI導入をさらに進める意向だ。フォレスターによれば、AIは人事関連業務を週平均11時間削減するという。
ほとんどの管理系業務の担当者は、間もなくマーケティング、財務、顧客サービスなどに特化したAIと(少なくとも比喩的に)オフィススペースを共有する日が来るだろう。企業は現在でも、広告の配置を瞬時に決めたりコストや売上高の変動を予測したり、品質管理上の問題を発見するためにAIを使っている。
一部の企業では、AIが人間を介さず顧客サービス上の問題解決に当たっている。オンライン中古車サイトのカーマックスでは、カスタマーレビューの分析と要約にAIが活躍していると、ニューヨーク大学のシーマンズは指摘する。「車の購入時期に関する顧客の意向を探る能力は(人間より)ずっと高い」