二酸化炭素を埋めろ! CO2の「直接空気回収」、温暖化対策の切り札になるか
グリーンピースは懐疑的
英国グリーンピースの先月の報告書は、DACテクノロジーに関して、「ごく初期の段階にあり、非常に高コスト」であると懐疑的だ。
「『特効薬』への期待から報道では派手に扱われているものの、将来の利用可能性は依然として非常に投機的だ」と報告書は述べている。
かつて、国連による科学分野の報告書において、炭素の直接空気回収テクノロジーは地球工学の一形態、つまり気候変動の脅威に対応するために地球のシステムに手を加える手法として分類されていた。
たとえば成層圏に放出した化学物質のベールで太陽光を遮るといった、もっと奇抜なテクノロジーと同列に扱われていたわけだ。
だが2018年以降、DACの区分は「(気候変動の)緩和」、つまり排出量削減の一種に変更された。最近の科学報告書では、自然の仕組みによるものであれテクノロジーによるものであれ、大気中からの炭素の除去をある程度増やすことが不可欠であると示唆されている。
回収した二酸化炭素を地下で固形化する方法がどこでも使えるわけではない。アラドッティル氏によれば、かなりの広さで海底を利用できる可能性があるものの、このプロセスに適した岩盤があるのは大陸の約5%である。
カーブフィックスでは、2014年から現時点までで6万5000トン以上の二酸化炭素を地下に注入した。ほぼすべてが地熱発電所で生成された二酸化炭素で、空気から回収したものではない。
アラドッティル氏は、注入する液体をどんどん増やしても、地中の空間が満杯になる兆候は見られないと話す。
ブルツバッハー氏によれば、カーブフィックスが運用する今後のDACプラントには、恐らく動物にちなんだ名称が付けられるだろうという。アイスランドの新プラントはシャチを意味する「オルカ(Orca)」と呼ばれている。実はアイスランド語の「オルカ(Orka)」には、「エネルギー」という意味もある。
アイスランド国内の別のプラントについては、「マンモス」という名称が提案されている。そう、はるかに規模が大きいからである。
Alister Doyle[オスロ トムソンロイター財団](翻訳:エァクレーレン)
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