STEM教育を単に「理系人材育成」と考えたら大間違いだ
「学ぶ=苦しい」と思う子供たち
子供はもともと、知らないことを学ぶのが大好きだ。勉強が嫌いになるのは、学んだことを理解しているかどうかを試験され、点数化され、比較され、結果によっては叱責されることが頭に浮ぶせいで、「学ぶ=苦しい」と思ってしまうからだと中村氏は指摘する。
学びとは、「新しいことを発見する喜びと、世の中を便利にしたり安全にしたりするために活用するもの」であると捉えるのか、それとも「知識を覚えて後で試され、評価され、比較されるもの」と捉えるのか。(5〜6ページ)
考えることを楽しみながら学ぶ子供は、親や教師に言われなくても、自ら進んでもっと学ぼうとするだろう。そうして、学力だけではない「本当の賢さ」を身につけ、AI時代に必要な「広くて深い思考」が育まれていくのだ。
「子供の自由な発想を伸ばす」ことは口で言うほど簡単ではないが、やみくもに習い事をさせるよりもSTEMに目を向けることで、ひょっとすると子供の新たな才能を発見できるかもしれない。算数嫌いになる前に、ぜひ「学ぶ=楽しい」と教えてあげてほしい。
『AI時代に輝く子ども――STEM教育を実践してわかったこと』
中村一彰 著
CCCメディアハウス
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