気候変動「脆弱国」の厳しい現実...「最悪の干ばつ」に苦しむアフリカの小国マラウイを洪水が追い打ち
<COP29で支援要請>
アゼルバイジャンで11月に開催された国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)で、マラウイのウシ副大統領は、気候変動は「遠くの抽象的な事象」ではないと力説。洪水や干ばつ、予測不能な天候パターンはマラウイの人々の生活を混乱させ、将来世代の福祉を脅かしていると訴えた。
ウシ氏は「マラウイのような国にとって気候変動の影響は単に経済的なものだけでなく、極めて非人道的なものだ。破局的事態は食料安全保障や公衆衛生、インフラ開発を台無しにする上に、貧困を拡大させ、やっと手に入れた開発の成果も損なわれる」と述べた。
またCOP29で合意された年間3000億ドルの貧困国向け気候変動対策支援目標についても、ぜい弱な国が確実に利用できるようにするべきだと付け加えた。
マラウイでは氾濫しやすいシレ川流域の災害対策担当責任者を務めるダニエル・マンダラ氏が、具体的な計画を見直して備えを進めている。
当局は地域住民に、雨が最も激しくなる前に安全な場所に移るよう警告しており「事後処理よりも被害を予防するのが得策だ」と同氏は説明した。
ただ洪水の規模がどんどん大きくなっており、一部住民が早期警報に基づいて高台に避難するのを嫌がっている点が課題だという。
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