最新記事
SDGsパートナー

個の力が輝く職場へ...星野リゾートが築く「フラットな組織文化」とは

2024年11月7日(木)13時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー

多くの国・地域への展開を見据えたフラット組織文化の浸透

現在、星野リゾートのフラットな組織文化は、CSV経営やSDGs推進にもプラスの影響を与えているという。

「地域が抱える課題はそれぞれ異なるため、チェーン企業として全施設共通の取り組みも推進しながら、各施設が事業の特性や強みを活かし、各地域の実情に則したCSV/SDGs推進に取り組むことが求められます。各施設のスタッフが地域の方々と交流する中で、その地域の課題を深く理解し、星野リゾートの事業を通じて課題解決する方法を提案したことで実現したプロジェクトも多数存在します」(小泉氏)

newsweekjp20241105121116-96fb4747f35b4bbd44ef8f5ce0d488fb58e9e3a3.jpg

「星野リゾート 青森屋」での「魅力会議」の様子

星野リゾートがこのフラットな組織文化を目指し始めたきっかけは、現代表の星野佳路氏が事業を引き継いだ1991年にさかのぼる。当時、人材採用に苦慮していた同氏は、社員が楽しみながら長く働ける環境を作りたいと考え、自主的に発想し、発言し、行動できる組織の構築に着手したという。

だが、伝統的なピラミッド型の組織で働いていたスタッフや、異なる文化的背景を持つスタッフもいるなかで、フラットな組織文化を浸透させるのは必ずしも容易ではない。

「そのため、自分の発想や行動でお客様に喜んでもらったなどの小さな体験を積み重ねることで、浸透をはかっています。現在、星野リゾートは海外で5つの施設を運営していますが、今後さらに多くの国・地域に展開するためには、いかに『フラットな組織文化』を理解・浸透できるかが重要だと考えています」(小泉氏)

日本では依然として伝統的なピラミッド型組織が主流だが、社員一人ひとりが主体性とやりがいを持てる環境を目指すなら、星野リゾートのような「フラットな組織文化」を検討する価値は十分にある。特に、日本企業が海外展開を進める際には、この文化が重要なカギとなりそうだ。

20241210issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年12月10日号(12月3日発売)は「サステナブルな未来へ 11の地域の挑戦」特集。地域から地球を救う11のチャレンジとJO1のメンバーが語る「環境のためにできること」

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

中国成長率、5%未満でも容認できる 質を重視=人民

ビジネス

ノルウェーSWF、イスラエル通信企業株を売却 倫理

ワールド

アングル:ルーマニア大統領選、親ロ極右候補躍進でT

ビジネス

戒厳令騒動で「コリアディスカウント」一段と、韓国投
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:サステナブルな未来へ 11の地域の挑戦
特集:サステナブルな未来へ 11の地域の挑戦
2024年12月10日号(12/ 3発売)

地域から地球を救う11のチャレンジと、JO1のメンバーが語る「環境のためできること」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    健康体の40代男性が突然「心筋梗塞」に...マラソンや筋トレなどハードトレーニングをする人が「陥るワナ」とは
  • 2
    NewJeansの契約解除はミン・ヒジンの指示? 投資説など次々と明るみにされた元代表の疑惑
  • 3
    【クイズ】核戦争が起きたときに世界で1番「飢えない国」はどこ?
  • 4
    JO1が表紙を飾る『ニューズウィーク日本版12月10日号…
  • 5
    混乱続く兵庫県知事選、結局SNSが「真実」を映したの…
  • 6
    【クイズ】世界で1番「IQ(知能指数)が高い国」はど…
  • 7
    NATO、ウクライナに「10万人の平和維持部隊」派遣計…
  • 8
    健康を保つための「食べ物」や「食べ方」はあります…
  • 9
    韓国ユン大統領、突然の戒厳令発表 国会が解除要求…
  • 10
    シリア反政府勢力がロシア製の貴重なパーンツィリ防…
  • 1
    BMI改善も可能? リンゴ酢の潜在力を示す研究結果
  • 2
    エリザベス女王はメーガン妃を本当はどう思っていたのか?
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    リュックサックが更年期に大きな効果あり...軍隊式ト…
  • 5
    ウクライナ前線での試験運用にも成功、戦争を変える…
  • 6
    健康体の40代男性が突然「心筋梗塞」に...マラソンや…
  • 7
    メーガン妃の支持率がさらに低下...「イギリス王室で…
  • 8
    「時間制限食(TRE)」で脂肪はラクに落ちる...血糖…
  • 9
    NewJeansの契約解除はミン・ヒジンの指示? 投資説な…
  • 10
    黒煙が夜空にとめどなく...ロシアのミサイル工場がウ…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中