最新記事
SDGs

【SDGsホンネ座談会】学生が語る「エシカル消費のリアル」...ペットボトル・プラストローは「使う時もあります」

2024年7月31日(水)17時00分
写真:林 直幸 文:酒井理恵

──日常生活では、どのようなエシカル消費を実施していますか?

藤田:2つの選択で悩んだとすれば、「どちらのほうがより環境に配慮しているか」という視点は持っています。例えば、安くておいしいチョコレートとフェアトレードの認証を取っているチョコレートだと後者を選ぶ、とか。

鈴木:私も食べることがすごく好きで、どうせ食材や調味料を買うなら「心地よいもの」がいいなと思っています。だから、ちょっと値段は張るのですが、オーガニック製品が置いてあるスーパーによく行きます。普段見ないものもたくさんあって、自分の中では楽しみながらエシカル消費を行っていますね。

宮沢:ものを選ぶ際の視点ももちろん大事ですが、そもそも消費をしないことを心掛けています。例えばネットショップで欲しいものを注文カゴに入れた後、1カ月後も欲しかったら買うようにしていますね。

児玉:私も宮沢さんと同じで、大好きな化粧品を家族や友達とシェアして使うことで、買う量を抑えています。ただ、自分の中で我慢することはサステナブルじゃないなって思うので、どうしても欲しいなと思ったら買いますよ。

鈴木:私もいわゆる「ファストファッション」と言われるものを買ったり、ペットボトルやプラスチックのストローを使ったりする時があります。ただ、そういう時に意識するのは、自分が使ったその先で何が起っているかということ。きちんとリサイクルボックスに入れられるのならいいですが、そうでなかったら家に持って帰って分別する。資源が循環されるように使いたいなとは思っています。

宮沢:過度な我慢や制限をする必要はないけど、ここから先は自分の中で心地よくない......みたいな、「バランス感」は重要だよね。

──SDGsの観点から、注目している商品やブランドはありますか?

宮沢:「ファッション・スワップ」といって、無料の洋服交換会が最近増えているので、よく足を運んでいます。

会社でいうと、注目しているのはアメリカ発のスニーカーブランド「Allbirds(オールバーズ)」。従来の靴に多く使用されていたプラスチックを天然素材に置き換え、メリノウールやユーカリ、カニの殻などを使ったシューズなどを製造販売しています。

newsweekjp_20240731022956.jpg

ユーカリ由来のメッシュ素材を使用した「Allbirds」の新作スニーカー「Tree Runner Go(ツリーランナーゴー)」 ©Allbirds

藤田:僕はサッカーが好きで、年間で10回ほど観戦に行きます。観戦中はどうしてもペットボトルの消費が多くなってしまいますが、 僕が好きなFC東京というチームは、スタジアムで出たペットボトルのゴミの一部をユニホームにリサイクルしています。 ファンや選手が見える状態でリサイクルを行う取り組みが印象的でした。

児玉:化粧品でおすすめなのは、「7NaNatural(ナナチュラル)」と「SHIINA organic(シイナオーガニック)」。7NaNaturalは、使用済みの容器を回収・リサイクルして新たな資源へと生まれ変わらせることを前提に製品を開発しています。自然由来100%の商品をオンラインショップで購入した後、同封されている封筒でパッケージを入れて返送できるのが面白いなと思っています。

newsweekjp_20240731023527.jpg

「7NaNaturalのヴィーガン仕様カラースティック ©メディアジーン

SHIINA organicは環境活動家が立ち上げたブランドで、オーガニックコスメの世界基準であるコスモス認証(エコサート)を取得した口紅を作っています。

■中編はこちら

■後編はこちら

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲うウクライナの猛攻シーン 「ATACMSを使用」と情報筋
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさ…
  • 6
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 7
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 8
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    雪の中、服を脱ぎ捨て、丸見えに...ブラジルの歌姫、…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 6
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中