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ボイセンベリーがつなぐ、シーエスラボの耕作放棄地活用と地域創生の挑戦とは?

2023年12月26日(火)13時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー

会社の一部署の「小さな活動」が世界の模範に

同社は「館林ボイセンベリー収穫祭」を開催し、「館林産ボイセンベリー濃い化粧水」のほか、コールドプロセス製法(熱を加えない製法)で仕上げた「館林産ボイセンベリー 生絹手練り石鹸」を販売するなど、地域の名産品の認知度アップに一役買っている。

日本遺産「里沼(SATO-NUMA)」など地域文化を県内外にPRする観光振興にもつながるべく開発した「ボイセンベリーかき氷」は評判を呼び、地元だけではなく遠方からの訪問者が増えた。

現在では、館林産ボイセンベリーのジュースやジャム、苗木、そして化粧品を都内のイベントなどでも販売。その認知度アップを目指した広報活動は館林外にも発信するまでになっている。プロジェクトの広がりについて、シーエスラボの人事総務部の林洸太氏は次のように述べる。

「最初は人事総務部による地域貢献活動の一環でしたが、社内の複数の部署が関わるようになり、地域社会を巻き込んだ"ボイセンベリープロジェクト"にまで発展しました。しかし、理念やビジョンだけでなく、ソーシャルビジネスとして展開しなくてはこのプロジェクトを継続させることはできません。ですから、このプロジェクトの考え方をいかに浸透させるかが直近の課題になっています」

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左はボイセンベリーのアイスクリーム、右は同社で製造したボイセンベリーのハンドクリームおよびゲル

地域の厳しい気候環境に対して、いかに事業を通して貢献できるのか?──企業としての最初の問いは、気候への解決策だけでなく、耕作放棄地の再利用と農業の魅力を若い世代にも伝え、地域経済の活性化にもつながる"ボイセンベリープロジェクト"へと発展した。

現在、食糧の多くを海外からの輸入に依存している日本が目指す、食糧自給率のアップ。地域社会と連携した耕作放棄地の再利用は、日本の農業生産の維持と地域創生の両方の達成の可能性を秘めている。世界的な食糧不足が課題になっている今、「ボイセンベリープロジェクト」は、耕作放棄地を抱えている他の国々にも示せる好例となるだろう。

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