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大量廃棄が予測される太陽光パネルを再資源化 宮城衛生環境公社が「エコロジーセンター愛子」に込めた願い

2023年12月21日(木)14時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー

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宮城衛生環境公社の本社社屋

使用済み太陽光パネルがリサイクル製品に生まれ変わる

同社は2019年11月に宮城県で初めて「再エネ100宣言 RE Action」に参加し、自社で消費する電力をつくる自家発電型太陽光パネルの設置、ごみ収集車両への次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」導入など、取り組みを進めてきた。2050年までに再エネ100%という目標を立て、2021年に29年も前倒しでその目標を達成した。

「当社でも使用している太陽光パネルが使用期限を迎えたらどうなるのか、どうすればいいのかを考えたとき、廃棄するのではなく、その資源を循環させることが社会課題の解決のためにも必要だと思い至って『エコロジーセンター愛子』を建設・稼働しました」と、砂金氏は話す。

「エコロジーセンター愛子」では、国の定めるガイドラインに沿った適正なリサイクル化が実施されている。搬入された使用済み太陽光パネルは、機械によってアルミフレームや太陽電池モジュールに分けられ、その後さらに細かく素材ごとに分別。こうした素材から、アルミ缶やサッシ枠等の各種アルミ製品のほか、発泡ガラス製品などさまざまなリサイクル製品が作られている。

「この施設は、単に太陽光パネルをリサイクルする機能としてのみでなく、当社がSDGsの目標に向かっていく姿勢と行動を社会に向けて意思表示する象徴としての意味も持っています。脱炭素経営に取り組むことで、静脈産業への偏見を払拭し、業界全体の印象を改善したい。社員の社会的地位の向上につながり、明るい未来に寄与することもできると信じています」(砂金氏)

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同社第二発電所の太陽光発電設備。エコロジーセンター愛子で使用する電気の約6割を供給している

もちろん、こうした願いを象徴する施設というだけでなく、現実に事業としてのニーズも大きいはずだ。

日本に限らず、他の先進国、経済成長の著しいタイや日本同様にFIT法が施行されているフィリピンなど途上国でも、太陽光発電は普及が進みつつある。いずれ寿命を迎える太陽光パネルの廃棄による弊害も、世界中で今後より切実な問題として可視化されてくるだろう。

サーキュラーエコノミー(循環型経済)を推進する技術への関心は日増しに高まっており、「エコロジーセンター愛子」はそのロールモデルの1つになるに違いない。

【関連記事】
脱炭素に向けた「東北初」の試みとは? ごみ収集車のCO2排出量削減を目指す、宮城衛生環境公社の本気度

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