最新記事
SDGsパートナー

世界自然遺産を守る経営を目指す... 星野リゾート 西表島ホテルとは

2023年10月30日(月)11時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー

イリオモテパイナップル (1).jpg

西表島のピーチパイン農家との連携

特産品ピーチパインの価値を上げ、経済的な循環を生み出す

エコツーリズムの実現に向けて、星野リゾート 西表島ホテルが最も大切にしているのが、「ホテル単体ではなく、島全体でのパートナーシップを通してエコツーリズムサイクルを創り上げていく」という視点だ。西表島には、島の自然を守るために繋いできた文化に価値があり、その価値を観光客に伝えるためには、地域の人々と宿泊客を繋ぐ必要があるからだ。

この考えが実践された取り組みの一例として、2021年から毎年開催している「春のピーチパイン祭り」が挙げられる。特産品であるピーチパインの生産者に来てもらい、宿泊客が美味しさの秘密を聞いたり、実際に味わうことのできるホテルイベントだ。

このイベントの成果について、細川氏は「生産者がピーチパインの魅力を直接発信することで、その価値を向上させることに成功しています。さらに、宿泊客の満足度向上にも繋がっており、双方にメリットがあることで、経済的な循環が生まれました。島の観光振興にも良い影響をもたらし、最終的にはホテルの利益にも繋がっています」と話す。

こうした取り組みが行われているのは、西表島ホテルを運営する星野リゾートが、経済価値と社会価値を両立する「CSV(Creating Shared Value)経営」を重視しているという背景がある。西表島ホテルに限らず、星野リゾートの各施設では、事業を通じて地域の課題解決に取り組み、地域のブランド力向上に貢献する活動に取り組んでいる。

自然環境や文化への配慮と、観光業の両立というテーマは、世界中の観光地で議論されている。オーストラリアやニュージーランドのように、すでにエコツーリズムリゾートが発展している国もある。西表島ホテルは、国内において、同様の性質をもつ観光地のモデルケースとなっていくのではないだろうか。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国、二国間貿易推進へ米国と対話する用意ある=商務

ビジネス

ノルウェー・エクイノール、再生エネ部門で20%人員

ワールド

ロシア・イラク首脳が電話会談 OPECプラスの協調

ワールド

トランプ次期米大統領、ウォーシュ氏の財務長官起用を
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 5
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 6
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 7
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 8
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 10
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中