女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボランティアが、職員たちにもたらした「学び」
Lessons Over Lunch
しわの奥に若さが顔を出す日も
私は次第に、ヒューとのランチが楽しみになっていった。一緒にオフィスの外に出る機会は、100歳近い脳の内部構造を知るチャンスだった。彼は猫背で膝が悪かったが、脳の機能はまだ良好だった。
私は海軍軍人の配偶者として、彼の第2次大戦の従軍経験の話を特に興味深く聞いた。ヒューは陸軍航空隊の一員としてアジア全域で従軍した。日本語を少し習っていて、私たちに向かい「カンセイ!」とよく言った。「作業が終わったよ!」という意味だ。
コピー機に向かって毒づいたり、もっとやりがいのある仕事をくれと要求したりすることもあったが、ヒューは基本的に賢明で優しい人だった。普段は倹約家だったが、後世に残す価値があるものには金を惜しまなかった。
彼は妻と共に歌劇団や交響楽団、そして私たちの団体に何百万ドルも寄付した。クーポンなしで昼食を食べることは決してしなかったが......。
私たちが作業を中断して彼の仕事に付き合わないと、イライラを爆発させる日もあった。誰が誰のボランティアなのか分からない日もあった。
一方、しわの奥に若さが顔をのぞかせる日もあった。彼は私のデスクの上のチョコレートを盗み食いして、指先やキーボードに証拠を残した。
妻と付き合っていた数十年前の心温まる話を披露することもあった。妻が恋しくてたまらないこと、妻との思い出が色あせていくのがどんなにつらいかも話してくれた。