突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...スポーツ好きの48歳カメラマンが体験した尿酸値との格闘

2025年3月28日(金)14時17分
木野 太良 (カメラマン)*PRESIDENT Onlineからの転載
突然の激痛、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...スポーツ好きの48歳カメラマンが体験した尿酸値との格闘

jazz3311 -shutterstock-

<お酒は控えめ、体重も20年間変わらず。それでも48歳の男性はある日突然、激痛に襲われた。「まるで骨が折れたようだった」と語る彼を痛風へと導いたのは、日常に潜む「ある食習慣」だった――>

ほとんどの人にとって「自分とは無縁の贅沢病」と思われている痛風。発症したら想像を超える痛さだと聞いても、未然に防ごうとはなかなか思えない。

仕事柄、贅沢もせず、同世代よりも健康的に暮らしていると思っていたフリーランスのカメラマンが、昨夏、痛風を発症してから、元の食生活に戻れるまでの体験記をお届けする──。

痛みはある日突然に

去年の夏、痛風の発作に悶絶した。その痛みは突然やってきて、僕の左足の小指側の付け根に1週間悪魔的に居座り、7日目の朝、激痛のわりにあっさりと去っていった。痛みの出た患部に黒い斑紋のようなしこりだけを残して。


贅沢病とよく言われる「痛風」は、自分とは全く無関係だと思って47年間を生きてきた。まず贅沢そのものをしていないし、お酒も好きで嗜むが、そもそも強い方ではない。

魚河岸で仲買業の商いをしていた父親はよく言っていた。

「痛風って本当に痛いらしいぞ。風が吹くだけで痛いって書くんだから」と。

寿司屋やら、料亭やら、親父の交友関係は、商売柄「贅沢な食事」を提供している人が多く、周りには痛風持ちが多かったのかもしれない。でも今思うと、父親は「痛風は本当に痛いらしいぞ」と、自分への戒めで言っていたのかもしれない。

なぜなら、これは痛風発症後に知ったことであるが、どうやら僕自身「痛風家系」であることが疑われる。その証拠に父方のおじさんも、常日頃、痛風の薬を服用しているらしい。

始まりは「どこかで強打したかな?」

痛風の発作に襲われた日、朝から何となく左の小指の付け根に違和感を覚えていた。あれ、どこかで足を強打したかな? と思ったくらいで仕事に出かけた。自覚症状といったものは全くなく、痛風そのものは何の前触れもなくやってくるのだ。

痛みはだんだん時間と共に耐えられないほどになった。仕事場で仕事をしながら、午後にはもはや立っていられなくなり、靴を脱ぐと足がだいぶ赤く腫れ始めていて、その段階で旧知の整形外科に急いで電話した。

「すみません。レントゲンを撮影してほしいんですが。どこかで足をぶつけて、骨にヒビが入ってしまったみたいなんです。骨が折れていないといいのですが」と。

冗談みたいな話だが、痛風の発作(発症時の激痛のこと)時の痛みを、この逸話はよく表していると思う。本気で骨に異常があると思っていた。どこでぶつけたかは覚えていない。でもきっと寝ている間にでも、どこかに打ちつけたのかもしれない。痛みの質は違うけれど、こんなジンジンとする痛みは骨折以外で経験したことがないからだ。

試写会
『クィア/Queer』 ニューズウィーク日本版独占試写会 45名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

マグニフィセント7決算発表開始、テスラなど=今週の

ワールド

イスラエル首相「勝利まで戦う」、ハマスへの圧力強化

ワールド

対米関税交渉、日本が世界のモデルに 適切な時期に訪

ワールド

米イラン、核合意への枠組みづくり着手で合意 協議「
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 2
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪肝に対する見方を変えてしまう新習慣とは
  • 3
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず出版すべき本である
  • 4
    トランプが「核保有国」北朝鮮に超音速爆撃機B1Bを展…
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 7
    「2つの顔」を持つ白色矮星を新たに発見!磁場が作る…
  • 8
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 9
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 10
    ロシア軍高官の車を、ウクライナ自爆ドローンが急襲.…
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 3
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 4
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 5
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇…
  • 6
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 7
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 8
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 9
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 10
    「世界で最も嫌われている国」ランキングを発表...日…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 6
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 7
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 8
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 9
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 10
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中