「アジア人」だから学校の代表から外され...中国人女性がアメリカで味わった差別と、人生を変えた「発想」
Where I Belong
米中をつなぐ食文化の魅力を伝えるチャン
<アメリカで人種差別を何度も経験したが、自分のルーツをさらけ出したら人生が好転。テレビ番組「ラッキー・チョウ」のホストが、アメリカで受け入れられるまでの軌跡を語る>
全ては、幼稚園に入り直したことから始まった。
台湾生まれの私が家族と米南部テキサス州ヒューストンに移民としてやって来たのは5歳の時。英語が全く話せず、小学1年生に進む代わりに幼稚園に入り直し、先生が昼寝の時間を使って英語を教えてくれた。
■【動画】ダニエル・チャンがホストを務める人気番組「ラッキー・チョウ」
幼稚園への行き帰りのバスの中で、私は中国人だという理由で周囲の子たちにからかわれた。(アジア人への差別表現になぞらえて)「チン・チャン」と言われても、なぜ母の名前を知っているのだろうと不思議に思うくらいで、それが何を意味するのか分からなかった。
でもなんとなく察しはついていて、心は傷ついたけれど、その子たちを責める気にはなれなかった。だって彼らが話す英語の大半を理解できないのだから。周囲になじめない疎外感が一番つらかった。彼らは意地悪だったのかもしれないし、単に無知だっただけのようにも思えた。
今や時代は変わり、アメリカでアジア料理が人気になるなんて当時の私には想像すらできなかった。ましてや自分が『ラッキー・チョウ』という番組を通じて、アジア料理がどれほどアメリカ文化に深く根付いているかを発信するなんて、夢にも思わなかった。