最新記事
英語学習

英語学習の足を引っ張る2つの勘違い...「ネイティブ信仰」と「丸暗記」から抜け出すには

2024年8月26日(月)13時52分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

世界で英語を母国語として話す人は約3億7300万人。それに対して、第二言語や外国語として英語を話す人は10億人以上います。

つまり世界で英語を使っているのはネイティブ以外の人のほうが多いのです。

彼らにはそれぞれのアクセントがあります。語彙だってネイティブに比べれば少ない人もいるでしょう。それでも彼らは必要なときに英語を使い、場合によっては生活や仕事も英語で行っているのです。

アメリカ英語とイギリス英語の分布図

『[完全版]すごい英語独学』P.33より

実際に日本を出れば実感できますが、第二言語として英語を話す人たちは流暢だとしても、アメリカ人のように話す人は多くはいません。

例えば、毎年発表される「英語能力指数 ランキング」という国際的なランキングで毎年世界第1位を独占しているオランダでは、多くの人が英語を話します。(ちなみに、日本は毎年最下位のグループの常連です)

母国語はオランダ語ですが、相手がオランダ語を話せないとわかると、彼らはすぐに英語に切り替えます。

オランダでは大抵の人が英語を話し、みな流暢です。世界第1位と言われるのも納得というレベルですが、彼らの英語は決してアメリカンイングリッシュではありません。

ヨーロッパの小国であるオランダは文化背景などから、英語だけでなくドイツ語やスペイン語など、多言語を操る人も多くいます。そんな彼らの話す英語は巻き舌でもなく、ネイティブ風のスラングが多いわけでもありません。

第二言語として英語を使う人ならではの、イギリス英語を基礎とした、誰もが理解しやすく、シンプルな文法のスタンダードな英語といえます。

めざしたいのは、シンプルでスタンダードな英語

プレーンイングリッシュという言葉があります。

これはアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア政府が認めている様式で、明確さと簡潔さを強調し、専門用語を回避するのが特徴です。かんたんにいうと、誰にでも理解できるシンプルな言いまわしということです。

世界で使われている英語はアメリカンイングリッシュだけではありません。むしろアメリカンイングリッシュを話すネイティブのほうが少ないのです。

英語の学習でアメリカ人のネイティブをいつも意識する必要はまったくありません。第二言語として英語を学ぶ日本のみなさんには、オランダ人のように、必要になればすぐに英語に切り替えられる柔軟さと、誰もが理解できるような、シンプルでスタンダードな英語を身につけることを提案したいと思います。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必死すぎる」「迷走中」
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    深夜の防犯カメラ写真に「幽霊の姿が!」と話題に...…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 8
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 9
    トランプが「マスクに主役を奪われて怒っている」...…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中