認知症の予防や脳の老化防止に効果的な食材は何か...? 史上最強の抗酸化物質を多く含むあの魚

2024年6月6日(木)17時58分
保坂隆(精神科医)西崎知之(医師、医学博士) *PRESIDENT Onlineからの転載

【魚を食べる日本の食文化ではDHAが豊富に摂れる】

秋刀魚や鯖などのいわゆる青魚の脂には、DHAが多く含まれています。DHAとはドコサヘキサエン酸の略で、脳や神経細胞の発育・維持にとても大切な物質だとわかっています。

脳内のDHA濃度が減ると、脳の発達が遅れたり、情報伝達のスピードが遅くなり、頭の回転が遅くなるといわれているのです。

DHAが脳の働きと関係があると最初に考えたのは、イギリスの脳栄養化学研究所教授のマイケル・クロフォード博士でした。

驚くべきことにクロフォード博士は「日本の子供の知能指数が高いのは、魚をたくさん食べ、魚に含まれているDHAを大量に摂取しているためだ」と指摘したのです。

それを裏づけるように、お母さんたちのお乳に含まれているDHAの量は、オーストラリア人が母乳100mlあたり10mg、アメリカ人はわずか7mgだったのに、日本人は20mgだったという結果も出ています。こんなにDHAが含まれている母乳を飲んでいれば、脳が発達して当然です。

ところが、日本では食の欧米化が進み、「青魚より肉がいい」という風潮が続いているのですから、脳のことを考えると、ちょっと残念です。もう少しDHAを効果的に摂取したいところです。

それにはどんな方法があるのでしょうか。

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