最新記事
食事と健康

「もしカップメンだけで生活したら...」生物学者と料理研究家が考える理想の食事と生命の法則

2024年4月10日(水)16時55分
福岡 伸一(青山学院大学教授)松田 美智子(料理研究家) *PRESIDENT Onlineからの転載
人間は「カップラーメンだけ」で生きていけるのか…生物学者が考える「食べること」の本当の意味

nest557 - shutterstock

<ファストフードだけ食べていても、骨や歯のために必要なカルシウム、血液成分の鉄など重要なミネラルが不足することはない。しかし、食を考えるとき、忘れてはならない重要な視点がある>

ファストフードを食べ続けると、体にはどのような影響があるのか。

青山学院大学の福岡伸一教授は「急に病気になることはないが、栄養面で見ると極めてバランスが悪い。例えば、チーズバーガーだけでビタミンCを取ろうとすると、1日の基準量に達するには100個食べなければならない」という――。

※本稿は、福岡伸一、松田美智子『生物学者と料理研究家が考える「理想のレシピ」』(日刊現代)の一部を再編集したものです。

【一日6個で必要カロリーは充足する】

もしカップラーメンだけで生活したらどうなるだろうか。栄養失調に陥るだろうか。あるいはハンバーガーだけで生活したら......?

カップラーメン1個のカロリーは、およそ351キロカロリー(日清食品のカップヌードルを例にする *図表1参照)。ハンバーガーのカロリーはおよそ307キロカロリー(種類によって異なるので、ここではマクドナルドのチーズバーガーを例とする *図表1参照)。

newsweekjp_20240410070952.jpg

(出所=福岡伸一、松田美智子『生物学者と料理研究家が考える「理想のレシピ」』)

日本人の一日に必要な食事カロリー数の標準値は、男2300キロカロリー、女1900キロカロリー(いずれも50歳)。男女差は体格(体重)差による。平均値を2100キロカロリーとすると、カップラーメンなら一日6個、ハンバーガーなら7個食べると、一日の必要カロリーを充足することになる。

食事のカロリー源は、主に炭水化物と脂質であり、体温の維持、運動、基本的な代謝反応などに使われる。

つまり体内に取り込まれたあと、エネルギーとなって燃焼される。燃焼されると消えてしまから(燃えカスは二酸化炭素と水となって排泄される)、また次の日、補給が必要となる。自動車にガソリンを入れるようなものである。

SDGs
使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが「竹建築」の可能性に挑む理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

アメリカン航空、今年の業績見通しを撤回 関税などで

ビジネス

日産の前期、最大の最終赤字7500億円で無配転落 

ビジネス

FRBの独立性強化に期待=共和党の下院作業部会トッ

ビジネス

現代自、関税対策チーム設置 メキシコ生産の一部を米
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負かした」の真意
  • 2
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学を攻撃する」エール大の著名教授が国外脱出を決めた理由
  • 3
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 4
    日本の10代女子の多くが「子どもは欲しくない」と考…
  • 5
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 6
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 7
    アメリカは「極悪非道の泥棒国家」と大炎上...トラン…
  • 8
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 9
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 10
    【クイズ】世界で1番「iPhone利用者」の割合が高い国…
  • 1
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 2
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 3
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 4
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 5
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 6
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 7
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 8
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 9
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 10
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中