最新記事
ヘルス

ステージ4のがんが劇的寛解 ストレスや怖れから解放されると治癒能力が高まる

2023年12月4日(月)19時42分
ケリー・ターナー(がん研究者) *PRESIDENT Onlineからの転載

「5年生存率が25%未満」からの劇的寛解

ケリー・ターナー『がんが自然に治る10の習慣』カーリンは、治癒の一環として手放す必要がある感情パターンが、どのように確立されたかを知るために、自分の子ども時代を調べました。

「私たちの家庭では、病気の人がすべての注目を集めていました。自分の治療の過程で、私は注目されたり世話をしてもらったりという、自分がどうしても欲しかったものを手に入れるために病気を利用していたことに気づいたのです。私は、『愛や関心を得るために自分の状態を利用する必要はもうない』と、繰り返し唱えました。自分の身体のエネルギーの流れを止めている問題やトラウマを突き止めることはとても重要で、それによって"病"が私たちの経験に入り込んでくるのです」

5年生存率が25%未満というステージ4の盲腸がんと診断されてから、6年以上経ちました。HIPEC手術のような画期的な従来の治療法と、過去の恥の感情を解放することを含む10の劇的寛解の要因を組み合わせることによって、彼女はとてつもない劣勢に打ち勝ち、健康で普通の生活を送ることができるようになりました。

彼女は現在、ラディカル・リミッション・ワークショップの公認インストラクターやヘルスコーチとして、がん患者に恩返しをしています。

※1.Lengacher, C. A., et al. "Influence of mindfulness-based stress reduction (MBSR) on telomerase activity in women with breast cancer (BC)." Biological Research for Nursing. 16, no. 4 (October 2014): 438-447. doi: 10.1177/1099800413519495.
※2.U.S. Centers for Disease Control and Prevention. "About the CDC-Kaiser ACE Study." Last modified April 2, 2019.
※3."Past trauma may haunt your future health: Adverse childhood experiences, in particular, are linked to chronic health conditions." Harvard Health Publishing, Harvard Medical School. Last modified February 2019.
※4.Chivers-Wilson, K.A. "Sexual assault and posttraumatic stress disorder: a review of the biological, psychological and sociological factors and treatments." McGill Journal of Medicine. 9, no. 2 (July 2006): 111-8. PMID: 18523613.
※5.Smith, S. G., et al. National Intimate Partner and Sexual Violence Survey: 2015 Data Brief - Updated Release. Atlanta, GA: United States Centers for Disease Control and Prevention, National Center for Injury Prevention and Control, Division of Violence Prevention, November 2018.
※6.Cash, H., et al. "Internet Addiction: A Brief Summary of Research and Practice." Current Psychiatry Reviews. 8, no. 4 (November 2012): 292-298. doi:10.2174/157340012803520513; Montag, C., et al. "Internet Communication Disorder and the Structure of the Human Brain: Initial Insights on WeChat Addiction." Scientific Reports. 8, no. 1 (February 1, 2018): 2155. doi: 10.1038/s41598-018-19904-y.
※7.Fancourt, D., et al. "Effects of Group Drumming Interventions on Anxiety, Depression, Social Resilience and Inflammatory Immune Response among Mental Health Service Users." PLOS One. 11, no. 3 (March 14, 2016): e0151136. doi:10.1371/journal.pone.0151136.

(翻訳=佐々木加奈子)

ケリー・ターナー(Kelly A. Turner)

がん研究者
腫瘍内科学領域の研究者。ハーバード大学で学士号、カリフォルニア大学バークレー校で博士号を取得。過去15 年にわたり10 カ国で研究をおこない、1500以上の劇的寛解の症例を分析してきた。著書『Radical Remission』はニューヨーク・タイムズ紙でベストセラーとなり、現在22 カ国語に翻訳されている。RadicalRemission.com のRadical Remission Project の創設者であり、患者やその愛する人のために、コースやワークショップ、治癒の物語の無料データベースを提供している。また、劇的寛解に関する科学的研究を促進することを使命とする非営利団体、ラディカル・リミッション財団の創設者でもある。


※当記事は「PRESIDENT Online」からの転載記事です。元記事はこちら
presidentonline.jpg




20250121issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年1月21日号(1月15日発売)は「トランプ新政権ガイド」特集。1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響を読む


※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

韓国尹大統領に逮捕状発付、現職初 支持者らが裁判所

ワールド

アングル:もう賄賂は払わない、アサド政権崩壊で夢と

ワールド

アングル:政治的権利に目覚めるアフリカの若者、デジ

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 4
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 5
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 6
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 7
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 8
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 9
    本当に残念...『イカゲーム』シーズン2に「出てこな…
  • 10
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 5
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中