最新記事
超加工食品

「常におなかが空いていた...」超加工食品だけを2週間...私の体に起きた衝撃の変化

Shocking Results of a UPF Diet

2023年8月3日(木)13時20分
エイミー・キングストン(超加工食品研究参加者)
エイミー・キングストン(超加工食品研究参加者)

若く健康でも 双子の姉妹との対照実験体験で意識が変わったというキングストン AIMEE KINGSTON

<消えない空腹感とひどい疲労感と集中力の低下と体重増、添加物いっぱいの食べ物の「破壊力」に気付かされて>

私はもともと、バランスの取れた食生活を送っていた。料理好きで、手作りの食べ物が中心だった。それでも、超加工食品を意識的に避けることはなく、原材料よりもカロリーや表示ラベルを重視して食品を選んでいたと思う。

英キングズ・カレッジ・ロンドンのティム・スペクター教授(遺伝疫学)が、超加工食品の影響を調べる研究への参加者を探している──私と双子の姉妹のナンシーは今年に入って、科学研究の被験者を希望する成人の双子の登録団体、トゥインズUKからそう連絡を受けた。

スペクターのことは知っていた。彼が共同創設した個別化栄養学スタートアップ、ゾーイ社の研究に姉妹で参加したことがあったからだ。私もナンシーも科学に関心が強く、できる限り貢献したいと考えて参加することにした。

2週間の期間中、私は超加工食品だけを食べることになった。一方、ナンシーはカロリーや脂肪、糖分の摂取量は同じだが、未加工・低加工の食品だけを食べる。

期間中、私は朝食としてシロップをかけたパンケーキやハッシュドポテトとソーセージ、シリアルとブルーベリーマフィンを食べていた。

昼食は白パンのピーナツバター&ジャムサンドとチョコレートミルク、チーズ入りラビオリとクッキーなど。夕食はチーズバーガーとフライドポテト、牛肉とグレービー添えマッシュポテトと缶詰のコーンといったメニューだった。さっさと食べられて、味が一定している食品ばかりだ。

研究が始まってすぐに空腹感が強まるのを感じ、間食をしたくてたまらなかった。1週間ほどたつと、気分が落ち込むのがはっきり分かった。

最大の変化は、常におなかが空いていたことだ。普段より多くカロリーを摂取していたのに目が覚めると空腹で、食事に満足感を覚えなかった。

「自然」なはずの食品も

疲労感もひどかった。2週目が終わる頃には、とても疲れて見えると、家族や友人から言われたほどだ。エネルギーの低下を感じ、集中するのが難しかった。特に午後になると、仕事中なのに食べ物のことばかり考えていた。

終了時には、普段の食生活に戻るのが待ち遠しかった。だが驚いたことに、そんな気持ちでいたのに、私の体はまだ超加工食品を欲していた。

その2週間で、私の体重は増え、血糖値も体脂肪率も高くなった。対照的にナンシーは体重が減り、血液検査の結果はさらに良くなっていた。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシアがICBM発射、ウクライナ空軍が発表 初の実

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部の民家空爆 犠牲者多数

ビジネス

米国は以前よりインフレに脆弱=リッチモンド連銀総裁

ビジネス

大手IT企業のデジタル決済サービス監督へ、米当局が
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 2
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 3
    「ワークライフバランス不要論」で炎上...若手起業家、9時〜23時勤務を当然と語り批判殺到
  • 4
    習近平を側近がカメラから守った瞬間──英スターマー…
  • 5
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    クリミアでロシア黒海艦隊の司令官が「爆殺」、運転…
  • 8
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 9
    若者を追い込む少子化社会、日本・韓国で強まる閉塞感
  • 10
    70代は「老いと闘う時期」、80代は「老いを受け入れ…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国」...写真を発見した孫が「衝撃を受けた」理由とは?
  • 4
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 5
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 6
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
  • 7
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 8
    建物に突き刺さり大爆発...「ロシア軍の自爆型ドロー…
  • 9
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 10
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶり…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中