最新記事
ヘルス

放っておくと「40歳から縮んでいく脳」の老化を防ぐ 週1食べるだけで効果が出る注目の食材とは

2023年5月18日(木)17時45分
マックス・ルガヴェア(健康・科学専門ジャーナリスト)、ポール・グレワル(内科医) *PRESIDENT Onlineからの転載
脳

脳を健康に保つために必要な食事とは? VectorMine - shutterstock


どうすれば脳を健康に保つことができるのか。健康・科学専門のジャーナリストであるマックス・ルガヴェア氏と医師のポール・グレワル氏は「認知機能を維持するには、脳の血流を増やすことが有効だと考えられている。そのために食事や運動に気をつけたほうがいい」という――。

※本稿は、マックス・ルガヴェア、ポール・グレワル『脳が強くなる食事 GENIUS FOODS』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

脳の血流を増やす食事

脳は、大量の酸素を消費している。あなたが1回呼吸するごとに、その25パーセントが脳に直行して代謝のニーズに応える。脳血管疾患のリスクを高める血中脂質(中性脂肪やコレステロール)を正常に保つことが、脳の認知機能を何の妨害もなく保つための1つの方法だ。そしてありがたいことに、次に挙げる方法によっても脳の血流を増やすことができる。

ダーク・チョコレートを食べる。
ダーク・チョコレートに含まれる成分(ポリフェノール)は灌流(かんりゅう)、つまり脳の血流量を増やすことがわかっている。カカオの含有量が80パーセントを超えるもの(理想的には85パーセント以上─―これは糖質がより少ないことを意味する)、抗酸化物質を減らすアルカリ処理をされていないものにこだわろう。

穀物、糖質、デンプン質を摂らない、あるいは減らす。
脳が脂肪――具体的にはケトンを燃料にすると、送り込まれる血流量が39パーセントも増える。

カリウムをもっと摂る。
カリウムが多く含まれる食品は、アボカド(アボカド1個にはバナナ1本の2倍のカリウムが含まれている!)、ホウレンソウ、ケール、ビーツの若葉、スイスチャード、キノコ、そして、まさかと思うだろうが、サケだ。

硝酸塩の豊富な食品を食べる。
一酸化窒素は血管を拡げ、血流を促進する。同じグラム数なら、ルッコラがほかの野菜よりも多く一酸化窒素を含んでいる。その次にビーツ、サラダ菜、ホウレンソウ、ビーツの若葉、ブロッコリー、スイスチャードだ。一酸化窒素が豊富な食事1回で、認知機能がぐんと高まるかもしれない。

ダーク・チョコレートの優れた健康効果

ダーク・チョコレートについて、もう少し補足しよう。

あなたは、カカオ豆が1887年までメキシコシティ一帯で立派な通貨として流通していたのを知っていただろうか? この貴重な果実の種は、身体のためになる食べ物として歴史的に尊ばれてきた。友だちのテロ・イソカウッピラの話では、カカオ豆は自然食品のなかでも群を抜いてマグネシウムが豊富だそうだ。テロはフィンランドで薬用キノコの栽培にたずさわる食料採集のエキスパートで、私の知るかぎりカカオの知識で彼の右に出る者はいない。

展覧会
奈良国立博物館 特別展「超 国宝―祈りのかがやき―」   鑑賞チケット5組10名様プレゼント
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

焦点:大混乱に陥る米国の漁業、トランプ政権が割当量

ワールド

トランプ氏、相互関税巡り交渉用意 医薬品への関税も

ワールド

米加首脳が電話会談、トランプ氏「生産的」 カーニー

ワールド

鉱物協定巡る米の要求に変化、判断は時期尚早=ゼレン
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジェールからも追放される中国人
  • 3
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中国・河南省で見つかった「異常な」埋葬文化
  • 4
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 5
    なぜANAは、手荷物カウンターの待ち時間を最大50分か…
  • 6
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 7
    不屈のウクライナ、失ったクルスクの代わりにベルゴ…
  • 8
    アルコール依存症を克服して「人生がカラフルなこと…
  • 9
    最悪失明...目の健康を脅かす「2型糖尿病」が若い世…
  • 10
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えない「よい炭水化物」とは?
  • 4
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 5
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 7
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 8
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 9
    大谷登場でざわつく報道陣...山本由伸の会見で大谷翔…
  • 10
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 6
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中