最新記事
ヘルス

放っておくと「40歳から縮んでいく脳」の老化を防ぐ 週1食べるだけで効果が出る注目の食材とは

2023年5月18日(木)17時45分
マックス・ルガヴェア(健康・科学専門ジャーナリスト)、ポール・グレワル(内科医) *PRESIDENT Onlineからの転載

チョコレートは自然発酵食品で、ポリフェノールの一種のフラバノールが豊富なため、食べればさまざまな恩恵がある。カカオフラバノールは認知機能の老化を食い止め、インスリンの感受性や血管機能、脳の血流、さらには運動能力まで改善するといわれている。

23歳から98歳までの、認知機能の正常な被験者1000人近くを対象にした研究では、少なくとも週に1回チョコレートを食べる人は、視空間記憶とワーキングメモリ、抽象的な推論などの認知的な能力が優れていることがわかった。だが、地元のスーパーマーケットには、どれを選べばいいのか迷ってしまうほどたくさんの種類のチョコレートが並んでいる。そのなかで、どうやってお目当てのものを見つければいいだろうか?

ダーク・チョコレートの選び方

まずは原料表示を見よう。そのチョコレートの原料が「アルカリ処理」、別の言葉ではダッチ・プロセスという処理がされていないことを確かめよう(たいていは原料表示の"ココア"の隣に書かれている)。このような処理法は、原料に含まれる植物栄養素をかなり損なわせ、せっかくの有益な食べ物を、栄養のないカロリーだけの食べ物に変えてしまう。

市販されているチョコレートは、糖質の含有量もさまざまだ。糖質はできるだけ少なくて、カカオはたっぷり含まれているものを望むなら、カカオの含有率が80パーセントを超えるチョコレートを探そう。

それより低いものは、「おいしすぎて食べるのがやめられない」食品カテゴリに属している(ミルクチョコレートとホワイトチョコレートは、本質的にはキャンディ、つまり純粋な糖質だ)。

たとえば、あなたが85パーセントと書かれたものを見つけたら、もう安心。ちょっと小腹が空いたときに、ほんの一切れ食べて満足する、そんなチョコレートの楽しみ方ができるはずだ。

●使い方のヒント●
カカオ85パーセントのダーク・チョコレートを、板状なら週に1枚の割合で食べよう。また、オーガニックやフェアトレード認証ラベルのあるものを選ぼう。そうした商品は、たいていは倫理的なルートで供給されている。

脳の血流を増やす運動

ここで改めて、EVOOが脳に良い理由を説明していこう。

食べ物だけでなく、運動によっても脳の血流を増やすことができる。

あなたが鍛えられるエネルギーの供給システムは、主に2つある。有酸素と無酸素だ。大まかにいうと、有酸素運動は長距離のサイクリングやハイキングなどで、無酸素運動はウエイトリフティングや短距離走などだ。有酸素運動は、酸素を使って脂肪をエネルギーに変え、無酸素運動は糖をエネルギーに変えると考えよう。

有酸素運動のトレーニングは心拍数が上がり、長時間続けることができる。身体は1日のほぼすべての時間、酸素呼吸によって機能している。有酸素「運動」は、その代謝を盛んに働かせている状態だが、あくまでも同じ代謝の状況下にある。

あらゆる形式の運動は、体内の制御センターに酸素と栄養をどんどん送り込んで脳の血流を増やす。そのなかでも有酸素運動は、脳由来神経栄養因子(BDNF)を増やす方法として知られる。

インタビュー
現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ「日本のお笑い」に挑むのか?
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

次期FRB議長の条件は即座の利下げ支持=トランプ大

ビジネス

食品価格上昇や円安、インフレ期待への影響を注視=日

ビジネス

グーグル、EUが独禁法調査へ AI学習のコンテンツ

ワールド

トランプ氏支持率41%に上昇、共和党員が生活費対応
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキング」でトップ5に入ったのはどこ?
  • 3
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「財政危機」招くおそれ
  • 4
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 5
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 6
    「1匹いたら数千匹近くに...」飲もうとしたコップの…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    ゼレンスキー機の直後に「軍用ドローン4機」...ダブ…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中