老後は公的年金だけで大丈夫 プロが見直しを勧める「60代後半がハマる無駄遣い」とは
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公的年金だけで生きていけるか。確定拠出年金アナリストの大江加代さんは「厚労省のデータによると、公的年金を受給している世帯の約半数、48.4%が公的年金のみで暮らしています。また、老後の無駄遣いを減らせばさらにお金の不安は減るでしょう」という――。
約半数の人は公的年金のみで暮らしている
定年後は、現役時代より生活費が減るとしても、「公的年金だけでまかなえるのか?」と心配する人もいると思います。
しかしこれは、あまりむずかしいことではありません。公的年金の受給額に合わせたライフスタイルにすればよいだけです。実際に、厚生労働省の「国民生活基礎調査」(令和元年)のデータによると、公的年金を受給している世帯の約半数、48.4%が公的年金のみで暮らしています。
家計に赤字を出さないためには、繰り下げなどによって受給額を増やすとともに、老後の生活に合わせて支出を減らす工夫が必要です。
家計の支出を減らすというと、まっさきに「節約」ということが頭に浮かぶかもしれません。節約というのは、ふだんの食費や光熱費を切りつめて、生活費を浮かせる方法です。また、ほしいものがあっても我慢するといったニュアンスもあると思います。
こういった節約は、面倒なうえにそれほどの効果は期待できません。しかも「定年を迎えて、これから好きなことができる」というときに、生活を切りつめるとか、やりたいことを我慢するというのでは、これまでなんのために働いてきたのかわかりません。
これからの人生はケチケチ生きる必要はありません。それよりも、家計の無駄を徹底的になくしたほうが、支出を減らす効果は絶大です。
しかも、もともと無駄で必要のないものを減らすわけですから、暮らしへの影響はなく、ストレスもほとんど感じないと思います。
生命保険を解約すれば10年で400万円貯まる
家計の無駄を見つけるとき、いちばんに見直すべきは「保険」です。60歳を過ぎて子どもが独立したならば、生命保険はほぼいらなくなります。なぜなら、前回もお伝えしたように、生命保険がなくても、遺族年金という制度によって配偶者の生活はある程度守ることができるからです。巨額の資産があり、相続対策のために保険に加入している人は別ですが、高い保険料をいつまでも支払うより、解約して保険料を貯金するか、積み立て投資にまわすことをおすすめします。
公益財団法人生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査」(2021年12月発行)によると、民間保険に払い込んでいる世帯別年間払込保険料は65~69歳がもっとも高く、42.3万円です。この保険をやめて、年間40万円を貯蓄にまわせば、10年で400万円、20年で800万円も貯えられます。