「目が見えるうちに、美しい記憶で満たしてあげたい」家族で分かち合う世界旅行へ
Taking Them Around the World
家族みんなに好きな場所ができた。ミアはモンゴルでの乗馬が一番気に入ったよう。以前から列車の中で眠るのが夢だったコリンは、タンザニアで24時間列車に乗ったこと。レオはキリマンジャロ山麓のハイキングが最高だという。
ローランの一番の思い出は、カッパドキアで乗った熱気球。日の出前に起きて、真っ暗な野原を歩いていくと、突然目の前に大きな熱気球が。私たちは他の何百もの熱気球と一緒に、太陽が渓谷に昇るようにゆっくりと上昇した。
旅に出た理由は、もちろん子供たちの視覚的記憶を満たすこと。美しいものをできるだけ多く見てもらいたい。
この旅で子供たちにもっとたくましくなってほしいとも思っている。彼らは徐々に視力を失っていくので、生涯を通じて変化に適応していく必要がある。車の運転は諦めなければならないかもしれなし、杖や盲導犬が欠かせない日が来るかもしれない......。
私が他の人たちに伝えたいことは──人生で大きな困難にぶつかったとき、悲しんだり怒ったりしてもいいけれど、しばらくしたら状況を受け入れ前を向くことが大切だと思う。
人生には美しいものが常にあるのだから、まずはそれらを見ようとすることだ。

アマゾンに飛びます
2025年2月25日号(2月18日発売)は「ウクライナが停戦する日」特集。プーチンとゼレンスキーがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争は本当に終わるのか
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら