最新記事

教育

親が子どもの自己肯定感を下げてしまう「5つの言葉」 成績悪化につながることも

2022年10月2日(日)11時11分
石田勝紀(教育デザインラボ代表理事、教育評論家) *東洋経済オンラインからの転載
ソファに座った子供と前に立つ母親

親が子供のためとやっていることが裏目になることも…… takasuu / iStockphoto

最近、自己肯定感という言葉を聞き、もしかしたら子どもの自己肯定感を知らずのうちに下げてしまっているのではないかと不安になってきました。うちの子は小5の女子ですが、何をやるにも自信がなく躊躇してしまいます。どのようなことに気をつければいいか教えてください。
 
仮名:川上さん
※石田勝紀先生へのご相談はこちらから

 

勉強ができない子どもは自己肯定感が低い?

自己肯定感という言葉を近年、本当によく聞くようになりました。

筆者は1989年に20歳で起業し学習塾を始めましたが、そのとき、勉強ができない子どもたちにある共通点を感じていました。

それがまさに今で言う「自己肯定感が低い」ということです。

子どもたちは単に自信がないというよりも、現在の自分自身を肯定的できないという状況に見えました。

あるとき、ある子どもがつぶやいた言葉にハッとしました。

それは「どうせ自分なんて......」という言葉です。

観察してみると、自己肯定感が低い子は共通して、この類の言葉を使っていたのです。その後、子どもたちの自己肯定感は勉強で潰されているのではないかという仮説が筆者の中に出てきました。それならば成績さえ上げてしまえば自己肯定感は変わるはずという認識も同時にもったのです。

そして事実、成績が上がった子どもたちから発せられる言葉の種類が変わり始めました。自己を否定する言葉から肯定する言葉に。

なかには成績が上がっているにもかかわらず、子どもの自己肯定感がなかなか上がらないケースも一部見られましたが、その原因は保護者面談でわかりました。

塾で子どもたちの自己肯定感を上げても、家庭で自己肯定感を下げるような言葉をかけられていたのです。

「あなたじゃ無理」など、明らかに子どもを否定する言葉は、さすがに多くの親御さんは使いません。しかし、無意識のうちにふと自己肯定感を下げる言葉を子どもにかけてしまうことがあります。

そこで子どもの自己肯定感を引き上げることよりも、まずは下げないということに焦点をあててみてください。

自己肯定感を下げる5つのNGワード

そのために、次に掲げる「子どもの自己肯定感を引き下げる5つのNGワード」について確認してみてください。

(1)90点取ってきた子に、「10点何を間違えた?」

確かに90点も取れていると、取れていない10点が気になることはあります。しかし、それを誰よりわかって気にしているのは子ども自身です。それをあえて、子どもに再認識させる意味はあるでしょうか。

90点を肯定することで子どもの自己肯定感を満たすはずが、10点の欠けている部分に重きを置いた発言で、子どもの自己肯定感を下げてしまうのです。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ、中国企業3社を制裁リストに追加

ワールド

トランプ米大統領の優先事項「はっきりしてきた」=赤

ワールド

イスラエル、ガザで40カ所空爆 少なくとも30人死

ワールド

米がウクライナ和平仲介断念も 国務長官指摘 数日で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判もなく中米の監禁センターに送られ、間違いとわかっても帰還は望めない
  • 3
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はどこ? ついに首位交代!
  • 4
    米経済への悪影響も大きい「トランプ関税」...なぜ、…
  • 5
    紅茶をこよなく愛するイギリス人の僕がティーバッグ…
  • 6
    トランプ関税 90日後の世界──不透明な中でも見えてき…
  • 7
    ノーベル賞作家のハン・ガン氏が3回読んだ美学者の…
  • 8
    今のアメリカは「文革期の中国」と同じ...中国人すら…
  • 9
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 10
    トランプが「核保有国」北朝鮮に超音速爆撃機B1Bを展…
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止するための戦い...膨れ上がった「腐敗」の実態
  • 3
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 6
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 7
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 8
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中