親が子どもの自己肯定感を下げてしまう「5つの言葉」 成績悪化につながることも
親が子供のためとやっていることが裏目になることも…… takasuu / iStockphoto
仮名:川上さん
勉強ができない子どもは自己肯定感が低い?
自己肯定感という言葉を近年、本当によく聞くようになりました。
筆者は1989年に20歳で起業し学習塾を始めましたが、そのとき、勉強ができない子どもたちにある共通点を感じていました。
それがまさに今で言う「自己肯定感が低い」ということです。
子どもたちは単に自信がないというよりも、現在の自分自身を肯定的できないという状況に見えました。
あるとき、ある子どもがつぶやいた言葉にハッとしました。
それは「どうせ自分なんて......」という言葉です。
観察してみると、自己肯定感が低い子は共通して、この類の言葉を使っていたのです。その後、子どもたちの自己肯定感は勉強で潰されているのではないかという仮説が筆者の中に出てきました。それならば成績さえ上げてしまえば自己肯定感は変わるはずという認識も同時にもったのです。
そして事実、成績が上がった子どもたちから発せられる言葉の種類が変わり始めました。自己を否定する言葉から肯定する言葉に。
なかには成績が上がっているにもかかわらず、子どもの自己肯定感がなかなか上がらないケースも一部見られましたが、その原因は保護者面談でわかりました。
塾で子どもたちの自己肯定感を上げても、家庭で自己肯定感を下げるような言葉をかけられていたのです。
「あなたじゃ無理」など、明らかに子どもを否定する言葉は、さすがに多くの親御さんは使いません。しかし、無意識のうちにふと自己肯定感を下げる言葉を子どもにかけてしまうことがあります。
そこで子どもの自己肯定感を引き上げることよりも、まずは下げないということに焦点をあててみてください。
自己肯定感を下げる5つのNGワード
そのために、次に掲げる「子どもの自己肯定感を引き下げる5つのNGワード」について確認してみてください。
(1)90点取ってきた子に、「10点何を間違えた?」
確かに90点も取れていると、取れていない10点が気になることはあります。しかし、それを誰よりわかって気にしているのは子ども自身です。それをあえて、子どもに再認識させる意味はあるでしょうか。
90点を肯定することで子どもの自己肯定感を満たすはずが、10点の欠けている部分に重きを置いた発言で、子どもの自己肯定感を下げてしまうのです。