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「もう年だから」──自虐だけでも老ける「日常的エイジズム」とは?

Not a Joking Matter

2022年7月21日(木)14時45分
エミリー・レイバーウォーレン

アレンらの調査では、まず年齢差別に関する10種類の質問(「加齢は魅力的じゃないという話を見聞きする」「年を取れば健康が衰えるのは当然」など)を用意し、それらに接する頻度を答えてもらった。その次に、自分の健康状態について4項目の自己評価(慢性疾患の有無、抑鬱感の有無など)をしてもらった。

そして両方の回答を分析すると、年齢差別に接する機会の多い人ほど健康リスクも高いことが分かったという。

もちろん、年齢差別が直接的に健康を悪化させるという証拠はない。しかし老化の問題に詳しいエール大学公衆衛生大学院のベッカ・レビー教授の調査によれば、老化について前向きな考えを持つ人ほど健康的な食事をしており、ストレスホルモン(コルチゾール)の数値も低いという。

逆に、日常的に年齢差別に接しているとコルチゾール値や血圧が上がり、結果として心臓疾患や糖尿病の悪化につながるのではないか。アレンはそう推測している。

しかし高齢者には強みもある。経験を積んできた分、若い人より問題解決能力は高い。肉体は弱くなってもメンタルは強くなっている。アレン自身、自虐的なジョークはきっぱりやめたそうだ。

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