最新記事
ヘルス

肩こりや腰痛に悩む人がハマる大きな失敗 「姿勢をよくする」ことが体をゆがませる

2021年7月25日(日)13時35分
大橋しん(理学療法士、アレクサンダー・テクニーク国際認定教師) *PRESIDENT Onlineからの転載

これらの不調や病気のほとんどすべてに「姿勢が影響している」と言ったら、みなさんどう思われますか? にわかに信じられない方もいるかもしれませんね。

私がこれまでリハビリで診てきた患者さんにも、ねこ背による慢性不調がうつ病につながっていたケースや、ねこ背による内臓圧迫が呼吸器系や循環器系の疾患をもたらしていたケースがたくさんありました。逆に言えば、姿勢さえ改善できれば、ここで挙げたさまざまな症状も改善していけるということです。

『魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本』姿勢が悪くなるのは、前述のように、心身の緊張が体をかためているからです。それが何十年も続いている状態は、あたかも、体のあちこちを緊張の鎖でがんじがらめにして、カギをかけてしまっているようなもの。頭、背骨、目、口の中、首回り、胸郭、胴体、骨盤、足......あらゆる部位が、ロックされてしまっています。

この「緊張のロック状態」は、努力で解除することはできません。そもそも努力とは、心身をかためる方向性のアプローチ。逆にロックを強固にしてしまうのです。

「努力」や「忍耐」「頑張り」「意志の強さ」は必要ありません。それに、筋トレのようなエクササイズをする必要もありません。むしろ、頑張ることがあなたの姿勢を悪くしている可能性は非常に高いと思います。

まずは頑張るのを、やめてみませんか?

そうすれば、「ふんわり」と「しっかり」が共存し、「美しい」「疲れにくい」「快適」という3条件を兼ね備えた姿勢を手に入れることができます。そして、これから先の人生を、より快適で充実したものへと変えていきましょう!

大橋しん(おおはし・しん)

理学療法士、アレクサンダー・テクニーク国際認定教師
岐阜生まれ、神戸在住。(株)フローエシックス代表取締役。ドイツでチェロの修業中にアレクサンダー・テクニークを知り、帰国後に理学療法士とアレクサンダー国際認定教師の資格を取得(両資格の所有者は国内初)。救急病院勤務を経て、整形外科クリニックにて「特命理学療法士」として数々の難しいケースを解決。2020年に独立し、リハビリと太極拳を中心としたスタジオを開設。姿勢改善の研究成果を積極的に学会で発表しており、医療だけに頼らない健康とケアのあり方を提案している。著書に『魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本』(飛鳥新社)がある。


※当記事は「PRESIDENT Online」からの転載記事です。元記事はこちら
presidentonline.jpg




あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ガザの医薬品が極端に不足、支援物資搬入阻止で=WH

ビジネス

中国、株式に売り越し上限設定 ヘッジファンドなど対

ビジネス

ステランティス世界出荷、第1四半期は前年比9%減の

ワールド

香港最大の民主派政党、中国が解散迫る=関係者
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ関税大戦争
特集:トランプ関税大戦争
2025年4月15日号(4/ 8発売)

同盟国も敵対国もお構いなし。トランプ版「ガイアツ」は世界恐慌を招くのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    公園でひとり歩いていた老犬...毛に残された「ピンク色」に心打たれる人続出
  • 2
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 3
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた考古学者が「証拠」とみなす「見事な遺物」とは?
  • 4
    「やっぱり忘れてなかった」6カ月ぶりの再会に、犬が…
  • 5
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 6
    「ただ愛する男性と一緒にいたいだけ!」77歳になっ…
  • 7
    凍える夜、ひとりで女性の家に現れた犬...見えた「助…
  • 8
    投資の神様ウォーレン・バフェットが世界株安に勝っ…
  • 9
    右にも左にもロシア機...米ステルス戦闘機コックピッ…
  • 10
    コメ不足なのに「減反」をやめようとしない理由...政治…
  • 1
    公園でひとり歩いていた老犬...毛に残された「ピンク色」に心打たれる人続出
  • 2
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 7
    ロシア黒海艦隊をドローン襲撃...防空ミサイルを回避…
  • 8
    「やっぱり忘れてなかった」6カ月ぶりの再会に、犬が…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    「吐きそうになった...」高速列車で前席のカップルが…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    公園でひとり歩いていた老犬...毛に残された「ピンク色」に心打たれる人続出
  • 3
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の…
  • 6
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中