欧米企業、「中国事業」への慎重姿勢を崩さず...海外からの投資減少を食い止めたい中国政府の試みは不発か
中国政府は海外からの直接投資減少に歯止めをかけるため、今週の一連の行事で海外企業の経営者を手厚くもてなしたが、訪中した企業経営者の多くは中国事業の拡大に慎重な姿勢を示した。 セミナーでの中国副主席、26日撮影。(2024年 ロイター/Tingshu Wang/File Photo)
中国政府は海外からの直接投資減少に歯止めをかけるため、今週の一連の行事で海外企業の経営者を手厚くもてなしたが、訪中した企業経営者の多くは中国事業の拡大に慎重な姿勢を示した。
北京で開催された投資フォーラム「インベスト・チャイナ」に出席したトラック大手スカニア・チャイナのマッツ・ハーボーン社長は、中国国有企業の利益を度外視した過剰生産能力について「中国企業も生き残るために利益を出すべきだ」と主張。業界再編が起きれば、サプライチェーンから実力のない企業が淘汰され、自力で市場経済を生き抜ける真剣な企業のみが残るとの認識を示した。
在中国欧州商工会議所のイェンス・エスケルンド会頭は、中国国務院が昨年8月以降、海外投資家の信認回復に向けた対策を少なくとも48件発表したが、その大半が実行に移されていないと指摘。市場アクセスや政府調達、政府高官との面会の点で欧州企業は依然、不利な立場に立たされていると感じていると述べた。
北京で開催された「中国発展フォーラム」では、米国の製薬会社やライフサイエンス企業が中国のデータ規制に対する懸念を表明。データ規制により自社の競争力が低下すると訴えた。
在中国米商工会議所のショーン・ステイン会頭は「問題は、中国側がこうしたメッセージを聞いて解決したいと判断するかどうかだ」と語った。
中国発展フォーラムでは、李強首相が毎年恒例となっている外国企業の最高経営責任者(CEO)らとの懇談会を見送ったが、習近平国家主席は27日、半導体大手クアルコムや投資会社ブラックストーンなど米国企業のCEOのみと会談した。
ベルリンを拠点とする中国研究機関MERICSのチーフエコノミスト、マックス・ツェングレイン氏は「他の投資家は気まずい思いをしただろう。中国がいかに戦略的かつ選択的に国際企業と関わっているかを示している」と述べた。
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