ホラーではないが背筋まで凍る...「幽霊の視点」で描く新感覚スリラー映画『プレゼンス 存在』
Soderbergh’s Spooky New Thriller

一軒家に移り住んだ4人家族の全てを「それ」は見つめている NEONーSLATE
<家族を翻弄する「存在」の予想を裏切る正体に戦慄。鬼才ソダーバーグが放つ異色の新作に注目が集まる──(2ページ目以降ネタバレあらすじアリ)>
スティーブン・ソダーバーグ(Steven Soderbergh)監督による最新作『プレゼンス 存在(Presence)』は、郊外に立つゴージャスな一軒家を舞台にした家族の物語だ。
家を内見している仕事熱心な母親のレベッカ(ルーシー・リュー、Lucy Liu)は、いい学校が近くにあるかどうかにしか関心がない。
よき父親のクリス(クリス・サリバン、Chris Sullivan)、スポーツマンの兄タイラー(エディ・メディ、Eddy Maday)、友の死に傷心する妹クロエ(カリーナ・リャン、Callina Liang)の一家が移り住み、やがてゆっくりと崩壊していく。
ソダーバーグ自ら撮影監督を務めた本作は、この家に取りつくプレゼンス(幽霊)の視点から撮影した映画だ。
「それ(プレゼンス)」はこの家の全ての出来事を見つめている。
友達がオーバードーズ(薬物の過剰摂取)で亡くなったショックで殻に籠もるクロエをケアするようクリスは妻に求め、タイラーの友人ライアン(ウェスト・マルホランド、West Mulholland)はひそかにクロエを誘惑する。
酔っぱらったレベッカは溺愛する息子に向かって、愛する人のためなら何をしてもいいと言う。
「それ」は近くでクロエを観察するとともに、母親も注視している。レベッカはパソコンやスマートフォンに向き合ってばかりで、娘にはほとんど向き合わず、息子とその成功に執着している。