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日本酒カスクでフィニッシュした、ウイスキーの枠を超える「シーバスリーガル 匠リザーブ 12年」とは?

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2024年12月25日(水)10時00分
写真:齋藤誠一 文:佐野慎悟 ※Pen Onlineより転載

「日本から戻ってきた樽をすべてノージングして、それぞれの樽が獲得した個性を確認しながら、最終的にどのようなブレンドを目指すべきか、チームとともに入念に考えました。日本酒を寝かせた『日本酒カスク』を使うなんてことはこれまでに前例がないことですから、この製品をつくり上げていく一つひとつのプロセスは、とてもビスポークなものでした。『シーバスリーガル 匠リザーブ 12年』は12年以上熟成させた原酒のみをブレンドしたものですが、これは既存のブレンドではなく、この製品のために一から考えたものです」

シーバスリーガル 匠リザーブ 12年ウイスキー

シーバスリーガルが所有する集中熟成庫。サンディ率いるブレンディングチームは、それぞれのウイスキー原酒の熟成度合いや特徴を管理しながら、適宜製品に使用していく。

しかし、新しい試みを成し遂げるためには、品質のほかにも乗り越えなければならないハードルは無数にある。まずはチーム全体の意識を高く保ち、最後までやり抜くことが大前提となるが、ウイスキーの製品開発には多くの資金と時間がかかり、常にリスクを背負いながら走り続けることになる。

「私は、最初からこのアイデアが必ず素晴らしい結果をもたらしてくれることを確信していましたが、なにしろ、前例のないことに取り組んでいるわけですから、私のチームはもちろん、社内の営業やマーケティング部門など、このプロジェクトに関わるすべての人たちにも、私を信じて辛抱強く待ち続けてもらうしかありません。実際に、酒カスクにウイスキーを寝かせて6カ月経った段階で仕上がりを確認してみた時には、まだまだ素晴らしい出来とは言えないような状態でした。でも辛抱強く待ち続け、12カ月が過ぎた頃には、これまでにないシロップのようにクリーミーなテクスチャーとともに、甘く、トロピカルなフレーバーが現れ始めたんです。最後は1カ月ごとにサンプリングしながら、ベストな状態を見極めて製品化しました」

もうひとつのハードルが、「酒カスク」というまったく新しい樽を使用することによって生じる、既存のルールとの乖離だ。前述したように、酒カスクはもともとシーバスリーガルでスコッチウイスキーの熟成に使われていたもので、100%オーク材でつくられたスコッチウイスキー専用の樽ではあるが、これまでスコッチウイスキー協会の規定では「日本酒を寝かせた樽」が使用された前例がなく、スコッチウイスキーの熟成容器として認められていない。

シーバスリーガル 匠リザーブ 12年の詳細はこちら

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