村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達した...ここまで来るのに40年以上の歳月を要した
A Return to Wonderland
そんな影に向かって主人公は言う。
「ぼくという存在はこの街に呑み込まれていくかもしれない。でももしそうだとしても、それでかまわない。ここにいれば少なくともぼくは孤独ではない。この街で自分がとりあえず何をすればいいのか、何をするべきなのか、それがわかっているから」
その街には、ずっと忘れられなかった10代のときの恋人がいる。彼女は彼のことも、かつてのロマンスのことも覚えていない。それどころか、多くの住民のように、強い感情を持つことすらできないようだ。それでも、その街にとどまれば、おそらく彼は毎日彼女に会うことができる。
村上らしからぬ現実味
結局、現実の世界に戻ったらしき主人公は(穴に落ちたときから、ほとんど時間はたっていないようだった)、会社を辞め、山間の小さな町の図書館に仕事を見つける。
そこでの生活には、猫やフレンドリーな幽霊、ジャズ、食事の支度といった、村上ワールドの常連的要素が登場する。黄色い潜水艦の絵(ビートルズの「イエロー・サブマリン」)が描かれたヨットパーカを着た少年もいる。
この時期は、3部構成の作品の中盤を占め、のんびりとして質感あふれる展開となっている。山間の町とそこに暮らす人々は、村上作品らしからぬ現実味にあふれている。主人公の生活は、壁に囲まれた街の残響かもしれないが、その違いは小説の結末に決定的に重要になる。
壁に囲まれた街とはなんなのか。刑務所なのか、ユートピアなのか。現世なのか、死後の世界なのか。過去なのか、未来なのか。
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