【インタビュー】「恐怖は物語の出発点として最高だ」──ジョン・チョー
Suspicious of Siri
エンタメなら何でもあり、それが私の流儀だと語るチョー AMY SUSSMAN/GETTY IMAGES
<SFホラー映画『AFRAID』で父親役を演じたジョン・チョーが語る出演の経緯と監督への思い>
いつも何げなく使っているデバイスやアプリ(スマートフォンや音声AIアシスタントのSiri〔シリ〕やアレクサ)が、実は底知れぬ恐怖の存在であったなら──。その怖さを、クリス・ワイツ監督作品『AFRAID(アフレイド)』(8月30日全米公開)に主演したジョン・チョーは知っている。
「私自身、シリとの関係は難しくてね。もう長い付き合いだが信用はしていない」。そう語るチョーが演じたのは、急に敵対してきた音声AIアシスタントから家族を守るために奮闘する父親の役だ。
「うちの子が小さい頃は、パソコンやiPadの影響にまで考えが及ばなかった。あれは開かれたトンネルで、子供たちはあれを通じて外の世界とつながっていたのだが」
そんな反省が背中を押したのは確かだが、チョーがこの役を引き受けたのはワイツ監督の存在ゆえだ。「今度の脚本は素晴らしかったが、ひどかったとしても引き受けたね。彼が好きだから」
結果、今度の映画はチョーの極めて多彩な経歴に新たな1ページを書き加えた。「エンタメなら何でもあり。それが私の流儀だ。特定の路線に収まるのは性に合わない」と語るチョーに、本誌H・アラン・スコットが聞いた。
──この映画のどこが気に入ったのか?
ある意味、ホラー映画の古典的設定だよね。家の中にモンスターみたいなのがいて、そいつが家族の関係を狂わせ、一人一人の間にくさびを打ち込み、いろんな形でみんなを危険にさらす。すごく面白いし、説得力がある。