「謹んで故人の冥福を祈ります」 SMなど音楽事務所への葬儀花輪テロは韓国K-POPファンの変質の象徴?
なぜ韓国K-POPファンはそこまで過熱する?
大好きな推しを応援したいという気持ちは、K-POPに限らず、さまざまなジャンルのファンに共通したものだが、韓国K-POPファンは一体、どうしてそこまで過熱するのだろう。SMエンターテインメントにスンハン脱退を求める謹弔花輪を送ったというK-POPファン歴17年目のAさんは「K-POPファンも消費者として消費に直結した重要な問題に対して異議申し立てを表現する権利があると思っています」と語り、謹弔花輪デモは所属事務所の決定に抗議を表わす手段だと主張した。また、K-POPファン歴12年目のBさんは「以前のK-POP文化はただ歌を聞いて舞台を見るだけでも十分だったが、最近は所属事務所がファンサイン会などを通じて無分別な消費を要求する。ファンが自身の消費水準に見合った待遇を受けようとするのは当然です」と語っている。
専門家の意見はどうだろうか? 大衆文化評論家のチョン・ドクヒョンは「単純に応援するだけでなくアルバムやグッズなどを購入することでアイドルグループの成長過程に実質的に参加する『消費ファンダム』が登場し、アーティストや事務所に対してK-POPファンダムの積極的介入を呼び起こした。過度に商業化された部分が口実を提供した側面もある。ファンの立場としては自分がそれだけお金を支払ったので一定程度の補償が当然だろう。ただし、私生活に過度に介入すればストーキングなどの犯罪につながりかねない」とコメントした。
今やK-POPファンダムが所属事務所の商品を購買する消費者にとどまらないという分析も出ている。ファン・ジンミ大衆文化評論家は、「政治がファンダム化されるように、ファンダムも政治化されている」と分析した。
彼は「(ファンが朴槿恵元大統領の弾劾のきっかけとなった)ろうそくデモなど広場政治を見て積極的に乗り出す態度を学んだ。ファンが一種の市民の立場で参政権を行使し、所属事務所が(ファンダムの)意見を代行してくれることを要求しているのではないか」と分析している。