最新記事
ファッション

パリ五輪でも「やっぱり!」 国内からも反発が...アメリカ代表のユニフォームが「ダサすぎる」問題

Team USA Uniform Is Overkill

2024年7月10日(水)19時00分
スカーチ・クール(スレート誌ライター)
パリ五輪アメリカ選手団のユニフォームが不評

アメリカ選手団が今夏のパリ五輪開会式で着るユニフォーム PHOTO ILLUSTRATION BY SLATE. PHOTOS BY RALPH LAUREN AND GETTY IMAGES PLUSーSLATE

<パリ五輪の開会式のためにラルフ・ローレンがデザインしたアメリカ代表の公式ユニフォームは、愛国心丸出しでセンスなし>

筆者はアメリカの永住資格(グリーンカード)を持っているが、国籍はまだカナダ。だからカナダ人として言わせてもらう。今夏のパリ五輪のために用意されたアメリカ選手団の新ユニフォーム(デザインはラルフ・ローレン)、あれはもう醜悪でしかない。

開会式で着るのは紅白のストライプで縁取りしたネイビーのブレザーにライトウォッシュのデニムパンツを合わせたもの。閉会式のはもっとひどくて、金赤と白と青の糸でUSAの文字を縫い込んだモトジャケットにホワイトジーンズの組み合わせだ。おお、これぞ純血アメリカン。目を覆いたくなるくらいだ。


パリ五輪のユニフォームを発表するラルフ・ローレン

1972年にポロシャツを発表して以来、ラルフ・ローレンはアメリカらしさ(少なくとも金持ちの白人で、名門ケネディ家のお友達であるようなアメリカ人らしさ)を体現するブランドと見なされている。

カナダ人の私は、あれはアメリカ人専用のブランドだと信じていた。隣近所にラルフを着ている人はいなかったし、ラルフの広告を見る機会もほとんどなかった──アメリカに移り住むまでは。

だからまあ、ラルフ・ローレンが2008年以来一貫してアメリカ選手団の公式ユニを担当してきたのは当然なのだろう。そしてそれが、カナダ人の私にとってひどく醜悪に見えるのも。

アメリカ国内にも、ラルフの手がける公式ユニへの反発はある。今回だけではない。2014年のソチ冬季五輪選手団用にデザインしたカーディガンと帽子もひどかった。片方の胸には五輪のマーク、もう片方にはUSAの文字、両側には国旗、そして漫画チックな星、星、星。「赤+白+青+スター+ストライプ=アメリカ」ってわけね!

オリンピックが国威発揚の場なのは承知している。どこの選手団も国旗のモチーフを用いた服や民族衣装で勝負してくる。問題はやり方だ。たいていの国はもっとましな、もっと外国人に不快感を与えないユニを用意してくる。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエル、イラン核施設への限定的攻撃をなお検討=

ワールド

米最高裁、ベネズエラ移民の強制送還に一時停止を命令

ビジネス

アングル:保護政策で生産力と競争力低下、ブラジル自

ワールド

焦点:アサド氏逃亡劇の内幕、現金や機密情報を秘密裏
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はどこ? ついに首位交代!
  • 4
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 5
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 6
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 7
    「2つの顔」を持つ白色矮星を新たに発見!磁場が作る…
  • 8
    300マイル走破で足がこうなる...ウルトラランナーの…
  • 9
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 10
    トランプが「核保有国」北朝鮮に超音速爆撃機B1Bを展…
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 3
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 4
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇…
  • 5
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 6
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 7
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中