BTS・BLACKPINK不在でK-POPは冬の時代へ? アルバム販売が失速、株価半落の大手事務所も
このままK-POPは冬の時代へ?
アルバム販売の急落と株価低迷。果たしてこのままK-POPは冬の時代へ突入してしまうのだろうか?
韓国の音楽業界関係者は「今年下半期も特別な契機がなく劇的な反騰は起きにくいだろうが、だからといってK-POP市場が冬の時代になることはない」と展望する。また別の大手芸能事務所の関係者は、「下半期も(上半期と)ほぼ同じ水準になりそうだ」とし、「中国のアルバムセールスが伸びず、その落ち込み分は穴埋めしづらいが、それでも海外コンサートなどで全体の売上は回復できるだろう」と話した。
他の業界関係者は「アルバム販売が最も重要な収益ルートではあるが、収益モデルを多角化しアーティストパワーを長く引っ張っていける力を作る必要がある」と指摘した。
株価については、意見が分かれている。ユアンタ証券のイ·ファンウク研究員は最近のリポートで「新事業のマーケティングコスト上昇と海外新人アーティストのローンチング費用」(HYBE)と「主要アーティストの活動空白および日本での実績が遅れて反映される」(JYP)などで主要音楽事務所の第2四半期実績が市場期待値を下回ると見通した。
ダオル投資証券のキム·ヘヨン研究員は12日、レポートで「現在、アルバム販売量の底固めは完了したと判断し、年間アルバム出荷量は-20%水準と展望される」と分析した。
K-POP、韓国のものから世界の音楽へ拡散?
業界では今がK-POPの再飛躍のための足場を固める段階だと判断している様子だ。
なにより2025年はK-POPの2大アーティストBTSとBLACKPINKの完全復活が予定されている。BTSは来年、全メンバーの兵役が終了して完全体でカムバックし、グローバル活動を再開する予定だ。BLACKPINKもヤン・ヒョンソクが2NE1復活を紹介した動画の中で「2025年中に完全体でカムバック、ワールドツアーをする」と明らかにしている。
日本市場の再拡大もK-POP業界には朗報だろう。6月末に開催されたNewJeansの東京ドームファンミーティングでは、メンバーのハニが松田聖子の「青い珊瑚礁」をカバーしたことが日韓で大きな話題を集めた。また販売不振と言われるK-POPアルバムだが、日本ではオリコンの7月3週のアルバムチャートでは1位ENHYPEN『ROMANCE:UNTOLD』、2位TWICE『DIVE』、3位JIMIN『MUSE』とトップ3をK-POP勢が占めている。
さらに、日本でNiziU、NEXZをデビューさせたK-POP育成プログラムの海外展開が、今度は欧米で実を結びつつある。HYBEはグローバルオーディションで選抜した6人組ガールズグループKATSEYEを8月16日に全米デビューさせる。メンバーはアメリカ、スイス、フィリピン、韓国とまさにグローバルな活躍を期待させる多国籍チームだ。また、SMエンターテインメントは今年下半期にイギリスでボーイズグループをデビューさせる予定で、彼らの様子を追いかけたドキュメンタリーがBBCを通じて公開されるという。
アルバム販売は減ったが、音源ストリーミング実績は着実に上昇しているという点も注目される。 ファンの消費パターンが変わり、収益創出ルートの多角化も行われている。 HYBEはK-POPファンコミュニティプラットフォーム「ウィバース」に有料サブスクプランを導入する予定だ。
こうしてみると、韓国のアルバム輸出は2023年をピークとして今後増えることはないのかもしれない。だが、それはK-POPの衰退を意味するのではなく、K-POPがさらに世界中に広がり、CD以外のさまざまなメディアへと浸透していくことの証しなのかもしれない。