英女優に客が物を投げつけ「顔に直撃」...繰り返される危険行為は「SNSで有名人が身近になったせい」と専門家
Florence Pugh Fan Attack Sparks Outrage
それだけではない。6月には、ポップスターのビービー・レクサがニューヨークで公演していたときに、27歳の男から携帯電話を投げ付けられ、目の上を負傷した。この男は暴行罪で起訴された。レクサは公演を取りやめ、その後、負傷した箇所をインスタグラムで公開した。
この件で起訴されたニコラス・マルバーニャは、現場に駆け付けた警官に対して、携帯電話を投げ付けたことを自白し、「ショーの最後に、携帯電話を彼女に命中させたら面白いと思った」と語ったと報じられている。
スウィフトは11月12日、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスでの公演中、物を投げるのをやめるようファンに呼び掛け、この憂慮すべきトレンドに言及した。「ザ・エラス・ツアー」と名付けられたコンサートツアーで、アルバム「エヴァーモア」の曲を歌っているとき、ステージ上にいたスウィフトから近い場所に「プレゼント」が投げ込まれた。スウィフトは演奏を止め、観客に語り掛けた。SNSに投稿された動画には、その一部始終が映っている。
スウィフトは、ピアノの椅子に座ったまま、「コミュニケーションとは、やさしくて健全な境界線を持つこと。ステージに物が投げ込まれるのは本当に怖い」と語った。「ステージに物があると、ダンサーがつまずくかもしれません。プレゼントを持ってきてくれることは本当にうれしい。でも、どうかステージには投げないで。私はみんなのことが大好きよ!」
自分には好きに行動する権利があると勘違い
マンハッタンに本拠を置く、エンターテインメントとスポーツを専門とする法律事務所サルツァーノ・エッティンガー・ランパート・ウィルソンのマネージングパートナー、フランク・サルツァーノは、有名人に関連するこのような事件が増えていることについて、ファンが有名人を「身近」に感じるようになったことが原因だと考えている。
サルツァーノは本誌に、「ファンたちは、ソーシャルメディアを通じて大好きな有名人と24時間365日つながっており、それがこうした現象の原動力になっている」と語っている。
「このような『身近さ』を感じたファンが、自分には好きなように行動する権利がある、という誤った考えを持つようになった。そしてしばしば、良識という明確な一線を越え、犯罪行為にまで発展することがある。こうした暴力的な行為の結果、コンサートの警備が強化され、規則が厳しくなる可能性が高い」
(翻訳:ガリレオ)
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