ビクトリア&デビッド・ベッカム夫婦に学ぶ、結婚という「チームゲーム」
A Moving Portrait of a Marriage
結婚は「チームゲーム」
初期のロマンスはとても魅力的だ。2人は一晩中電話で話したり、デビッドは20分間だけビクトリアに会うため、ロンドンからマンチェスターまで往復4時間車を走らせたと、友人や家族は語る。それぞれのキャリアの厳しさ、ツアーやトレーニングでなかなか会えない2人だが、何とか解決策を見つけて......。
でも、もっと心を動かされたのは長期にわたる夫婦関係の平凡な現実だ。ビクトリアはデビッドのプレーを見るのは好きだが、今でもフットボールは好きではないと言う。
2人は軽口でお互いをからかう。ビクトリアはデビッドについて、潔癖症丸出しの彼の掃除を私が評価しないと怒っていると言い、デビッドはビクトリアについて、父親がロールスロイスを所有していたのに若い頃の自分は労働者階級だったと言い張ると話す。
2人はほとんどの場合、別々にインタビューを受けているので、互いに矛盾することもあるが、聞き手の監督はお構いなし。デビッドが急にロサンゼルスからヨーロッパに戻りたくなった自分を妻は理解してくれたと話した直後、ビクトリアはそれを否定する。
エピソード3では、デビッドがレアル・マドリードでプレーしていた04年に夫妻を襲った悪名高い浮気疑惑を取り上げる。スティーブンスは夫妻のどちらにも、デビッドがビクトリアに隠れて元個人秘書と関係を持ったのは本当かと直接尋ねていないが、「行間」を読み取るのは簡単だ。
それより興味深いのは、幼い子供を抱えていたタイミングで疑惑がゴシップ紙で一斉に取り上げられたとき、どうやって関係を壊さずにいられたかを2人が振り返る場面。もっと言えば、振り返るのが今もつらそうな彼らの姿だ(2人はこのドキュメンタリーのインタビューはセラピーのようなものだったと語る)。
「結婚生活であんなプレッシャーにさらされたのは初めてだった」と、デビッドは打ち明ける。「世界中が私たちに敵対しているように感じた」と、ビクトリアは言う。