元ジャニーズJr.の橋田康が、「母校のよう」なジャニーズ事務所に伝えたいこと
元ジャニーズJr.の橋田康(本人のインスタグラム投稿より)
<性被害を告白した元ジャニーズJr.の橋田康「ジャニーズ事務所が好きだからこそ、変わってほしい」>
俳優・ダンサーの橋田康は98年から約7年間、ジャニーズ事務所に所属してジャニーズJr.(ジュニア)として活動した。入所から約1年たった頃、公演先のホテルでジャニー喜多川から性加害を受けたという彼は、今年5月に週刊文春で実名で告白。その後、児童虐待防止法改正を求める署名活動をしたり、被害者が相談できる連絡窓口の設置を行ったりしている。
ジャーナリストのデービッド・マクニールと本誌・大橋希が話を聞いた。
――被害を告白した後、周囲からの反応は。
ショッキングな内容ですし、反響はさまざまありました。僕のことを「無理しないでね」と心配してくれる人もいれば、ジャニーズ事務所は過去のことをきちんと清算すべきだという声もあった。今がんばっている人の中には被害に遭った人も、遭っていない人もいるかもしれないので、余計なことはしないでほしいという声も多かった。
――事務所に入るときは、喜多川氏の性暴力の噂などは聞いていなかったのか。
噂は耳にしましたけど、大きい会社ですし、いろいろな噂が飛び交うのは当然だと思っていた。それに小さい時から僕は目に見たものとか、感じたものしか信じないタイプだったので、噂を鵜吞みにせずにいた。
事務所内では結局、経験してる人が本当に何人いるのか、その事実を本当に知っている人は何人いるのかは明確には分からない。
でも僕が(性被害を)経験した翌日、リハーサルの時間にジュニアの仲間や先輩に「昨日ジャニーさんが部屋に来て......」っていうところまで言った時に、みんなが「おめでとう」という感じで励ましてくれて。「そんなに落ち込むことはないよ」っていうニュアンスで僕は受け取った。
それ(性加害)が噂だけのことだったら、そういう言葉は出てこないと思う。僕は昨日初めて事実を知ったけど、みんなはもう知っていたんだなと感じた。知ってて当たり前の環境だったと思います。
――みんな恥ずかしいとか、嫌だとか思ってるから、仲間の間で詳しい話は共有しない。
誰かにこれを口外した時、大変なことが起きるんじゃないか? 自分の身が危険に及ぶんじゃないか? と妄想することは少なからずあったのではないかと思う。
だから恥ずかしくて言えないというより、怖くて言えないということが大きく作用したのではないか。決して、ジャニーズ事務所が何かを振りかざしていたわけではない。