最新記事
米社会

スポーツブラのモデルに「トランス女性を起用」で大論争に...ビール広告に続いて

Nike Makes Dylan Mulvaney Sports Bra Model, Days After Bud Light Furor

2023年4月7日(金)18時42分
ジェイミー・バートン
ディラン・マルベイニー

ディラン・マルベイニー(2023年3月) lev radin-Shutterstock

<ビールの広告への起用で批判が集まったばかりだったが、今度は「生物学上の女性を起用せよ」「女性への侮辱」と反発の声が>

人気のインフルエンサーとして活躍するディラン・マルベイニーが、相次いで大手企業とのパートナーシップ契約を獲得したことが、激しい議論を呼んでいる。先日、大手ビールブランド「バドライト」のキャンペーンモデルに起用されたマルベイニーだが、今回はナイキが展開するスポーツブラのモデルに起用されることが決まった。

■【写真】ナイキのスポーツブラを着用し、モデル起用をアナウンスしたマルベイニー

企業がインフルエンサーのリード獲得に期待し、彼らをキャンペーンに起用することはもはや当たり前になっているが、マルベイニーが物議を醸すのは「彼女」が、自らのトランジション(ジェンダー移行)を記録したコンテンツをソーシャルメディアで公開してきたトランスジェンダーだからだ。

俳優兼コメディアンのマルベイニーは今回、ナイキのスポーツブラのモデルに起用されることが決まった。これに先立ち、彼女を販促用の動画シリーズ「Day 365 of Girlhood」に起用したバドライトに対しては、ソーシャルメディア上で非難の声やボイコットを呼びかける声が上がっている。

今回のナイキとの契約についても、一部のソーシャルメディアユーザーは同様に否定的な反応を示している。

インフルエンサーのオリ・ロンドンは、マルベイニーがナイキ製品を身に着けている動画に「こちらがナイキ・ウィメン(NIKE WOMEN)の新しいアンバサダー。生物学的には男だ」という言葉を添えてソーシャルメディアに投稿し、さらにこう書き添えた。

「ディラン・マルベイニーは、ナイキ・ウィメンから金を貰ってスポーツブラの宣伝をしている――彼は男なのに! またもや新たな企業が、女性の代わりに男性を起用して金を払い、女性を侮辱している!」

ツイッター上では批判の声が相次ぐ

執筆家で共和党支持のインフルエンサーであるブリジット・ガブリエルは、ロンドンのツイートを受けて「最低だ。私は既にナイキ製品をボイコットしている!」と書き込んだ。ロンドンは彼女に賛同し、ナイキのような企業に金を落とすのはやめるべきだと示唆。「Woke(ウォーク、意識高い系)は破滅する運命にある」と書き込んだ。

マルベイニーは4月5日、インスタグラムのフォロワー170万人に向けて、ストーリーズとグリッド投稿で新たなスポンサー契約を発表。スポーツブラを身に着けた写真や動画を投稿し、「お知らせです。ワークアウトを始めます」と書き込んだ。

この投稿に対して、ファンからは称賛や支持を表すメッセージが寄せられ、コメント欄はポジティブなメッセージで埋め尽くされた。一方でツイッター上では、ロンドンやガブリエルをはじめとする大勢の人が、マルベイニーとナイキを批判した。

社会的価値創造
「子どもの体験格差」解消を目指して──SMBCグループが推進する、従来の金融ビジネスに留まらない取り組み「シャカカチ」とは?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエルがガザ空爆、48時間で120人殺害 パレ

ワールド

大統領への「殺し屋雇った」、フィリピン副大統領発言

ワールド

米農務長官にロリンズ氏、保守系シンクタンク所長

ワールド

COP29、年3000億ドルの途上国支援で合意 不
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたまま飛行機が離陸体勢に...窓から女性が撮影した映像にネット震撼
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 8
    「何も見えない」...大雨の日に飛行機を着陸させる「…
  • 9
    クルスク州のロシア軍司令部をウクライナがミサイル…
  • 10
    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 5
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 7
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 8
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中