「今やK-POPはマイナス成長」BTS擁するHYBEのバン・シヒョク 気になるBTSカムバックは?
SM買収、過去にも検討していた
2月以降、K-POP界を揺るがしたSMエンターテインメント(以下SM)をめぐるHYBEとKakaoによる買収合戦は3月12日、HYBEが買収中止を発表して突然の終了を迎えた。BoA、東方神起、少女時代など日本でも有名なアーティストを抱えるSMは、K-POP業界の最大手として君臨してきた事務所だけに、BTSの世界的ヒットで成長したHYBEがSMを買収することは、K-POPをめぐる勢力図が塗り替わったことを示すものとして、世界的な注目を集めた。果たしてこの買収合戦はどのようにして始まり、どのように集結したのだろうか?
「SM買収は個人的なビジョンではなかった。事実、HYBEがSMの買収を検討したのは2019年からだ。そのときから2度、買収を提案し断られたのは事実だ。HYBE内部でも賛否両論があった。賛成意見はグローバルなK-POP成長戦略の一環としてK-POPの規模を拡大させなければいけないというもの。反対意見はその費用をグローバル市場でより未来的、革新的に使うべきだというもの。HYBEが単にK-POPだけの会社ではないという意見だ」
こうしたなか、実は昨年後半にもSM買収をめぐる議論があり、そのときにはバン議長は反対していたという。
「その時は私が議長として未来志向的に考えたいと思い、今我々にSMが必要なのか分からないという結論を下した。私たちは買収から距離をおいて自分たちの成長戦略を進もうと考えた」
ところがそんなところにSMの創業者イ・スマン前総括プロデューサーから連絡がきたという。
「急にイ・スマン氏から連絡が来て、持分株の買収意向を聞かれた。その時社内で議論したが、過去の反対意見の要素がなくなったと判断して買収を進めるようになった」
イ・スマン元SM総括プロデューサーの持分株を買収することで、韓国芸能事務所の最大手を傘下に収めることできると考えたバン議長だったが、これは大きな誤算だった。SMの現経営陣、そしてSMの持ち株比率9.05%を所有したKakaoが猛反発し、市場での公開株買付合戦へと発展していったのだ。
「市場が過熱したり、考えた以上に激しい買収戦は予想外だった。長い時間、SMについて考えてきたために明確な価値があったが、ある時その価値を超えたと思った。買収をやめるべきか非常に悩んだ。HYBEには『HYBEらしさ』という言葉がある。買収合戦を継続することがHYBEな決定か、合理的な決定かについて考えた。そして株主価値を毀損し、市場秩序を揺さぶってまで買収合戦を継続することができないという結論を下した」
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