「ネタばらしはしない」──『アナ雪』のジョナサン・グロフがホラー初挑戦へ
His First Horror Film
ネタばらしはしないと語るグロフ。演技に加え歌のうまさにも定評がある FRANCIS SPECKERーCBS/GETTY IMAGES
<「どんでん返しの名手」シャマラン監督の新作で異常な緊張状態に投げ込まれた。大いに勉強になった映画『ノック 終末の訪問者』とは?>
M・ナイト・シャマラン監督の映画では、ラストに驚きの仕掛けが待ち受けているのがお約束だ。新作映画『ノック 終末の訪問者』(日本公開は4月7日)は、出演したジョナサン・グロフでさえ全く先が読めずに「途方に暮れた」という。「僕らは監督に導かれるまま、ひたすら彼の狙いどおりに演じようとしていた」
グロフ演じるアンドルーは同性のパートナーと幼い娘と共に休暇を過ごしに森の中のコテージにやって来る。そこで一家は究極の選択を迫られることに......。選択を間違えたらその瞬間、世界は滅びる。
アニメ映画『アナと雪の女王』のクリストフの声を務め、特にシリーズ2でその歌唱力が高く評価されたグロフ。ブロードウェイの舞台でも大活躍している。ミュージカルの舞台と映画・テレビの仕事では全く勝手が違うが、そこがまた面白いと目を輝かす。「ホラー映画に出るのは初めてで、とても勉強になった」
いま旬の役者グロフに本誌H・アラン・スコットが話を聞いた。
――『ノック』出演を決めたのは?
ナイト(シャマラン)の作品と聞いたからだ。それから脚本を読んで大いに興奮した。腹にガツンとくる。予告編で暗示される究極の選択、いけにえ、家族、家への侵入。何もかもが本能的な反応を呼び覚ます。僕の場合はそうだった。心臓が狂ったように高鳴った。
――シャマランはどんでん返しの名手と呼ばれているが、撮影現場ではどうだった?
監督はストーリー展開を完全に頭に描いていた。アニメのストーリーボードみたいにね。現場に入ると、最初のリハーサルのときから監督がきっちり指示を出す。どんな絵が欲しいか、どう物語を伝えたいか、彼には分かっているんだ。こっちは(役柄と同様に)先が読めないまま異常な緊張状態に投げ込まれる。
――こういう映画に出ると、結末をバラさないよう黙っているのが難しくないか。私ならついしゃべりたくなる。
僕も秘密を守れるタイプじゃない。でも作品に対する敬意、そして監督に対する敬意から、そこは大人になって黙っていられる。普段はもっとガードが緩いよ。
――あなたが主演した人気ドラマシリーズ『マインドハンター』の再開は無期限保留中となっているが、いつ制作されるのか。ファンの1人としてとても気になる。
僕も知らない。(監督・製作総指揮の)デービッド(フィンチャー)の一存で決まる。彼がやる気なら、出演者は全員大乗り気だから、すぐにでも再開できるはずだ。