12歳子役の「最低主演女優賞」候補入りに批判殺到 子供のノミネートは過去にも
第43回ラジー賞で最低主演女優賞にノミネート(後に撤回)されたライアン・キーラ・アームストロング Entertainment Weekly-YouTube
<『炎の少女チャーリー』に主演したライアン・キーラ・アームストロングのラジー賞ノミネートに対する批判を受け、主催団体が公式謝罪。最終投票の候補から外すと発表した>
アカデミー賞に対抗してその年の最低映画や俳優を決める不名誉な映画賞「ゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)」に12歳の子役ライアン・キーラ・アームストロングがノミネートされたことを巡り、ネットに批判が殺到。「子供いじめ」と業界内からも厳しい声が上がり、主催団体がノミネートを撤回すると共に公式謝罪する騒動となった。
『炎の少女チャーリー』に主演したライアンは、23日に発表された第43回ラジー賞のノミネーションで最低主演女優賞の候補になっていた。
アカデミー賞の前日に毎年発表されるラジー賞は、それ自体が一種のジョークのようなユーモアある賞として知られ、B級映画や駄作だけでなく、今年もトム・ハンクス(『ピノキオ』)がノミネートされるなどオスカー受賞経験者が候補入りすることも珍しくない。
同賞はゴールデンラズベリー賞財団の会員およそ1100人による投票で決まるが、40ドル(更新は25ドル)の年会費を支払えば誰でも会員として投票する権利が与えられる。受賞者には8ミリフィルム缶の上に金色に塗装されたゴルフボール大のラズベリーがのった製作費4.79ドルのトロフィーが授与されるが、不名誉な賞を自ら受け取りに授賞式会場に足を運ぶスターはほとんどいない。
批判を受けて共同創設者が謝罪、今後18歳未満は対象外に
そんなラジー賞にライアンが選出されると、「子供をノミネートするのはやり過ぎ」「残酷」「若い才能をからかうのはフェアじゃない」と批判が殺到。ラジー賞の常連だったブルース・ウィリスが昨年、失語症と診断されて俳優を引退したことを受けて最低演技賞を撤回した前例に従い、ライアンのノミネートも取り消すよう呼びかける投稿もあった。
11歳の子役ジュリアン・ヒリードは、「ラジー賞はすでに意地悪で低俗だけど、子供をノミネートするのは不快で間違っている。なぜ、子供をいじめの増加または増長の危険にさらすのですか?」とツイート。その後も「ラジー賞はジョーク」と主張するユーザーに対し、「子供が関係する時はそうではない。非常に悪い影響を与える可能性がある。彼らは一線を越えた」と反論した。
The Razzies have sunk to a new low by nominating an eleven-year-old girl -- whose performance I actually dug.
— Joe Russo (@joerussotweets) January 23, 2023
If you're gonna continue denigrating people's hard work -- which you shouldn't -- at least target adults.
また、兄と共に「アベンジャーズ」シリーズでメガホンを取ったジョー・ルッソ監督も、「私は彼女の演技を高く評価していた。これからも頑張りをけなし続けるなら(すべきではないが)、少なくとも対象は大人だけにすべき」とツイートし、ライアンを擁護した。
こうした批判を受け、同賞の共同創設者ジョン・ウィルソンは「いかに無神経であったかに気づかされた」と声明を発表。最終投票の候補からライアンを外すことを発表すると共に「傷つけて申し訳なく思っています」と公式に謝罪した。また、今後は18歳未満の子供を選考の対象外とすることも誓った。