最新記事

世界に挑戦する日本人20

独占インタビュー:山下智久はなぜ海外を目指すのか

2022年9月7日(水)16時45分
小暮聡子(本誌記者)
山下智久

来年は海外ドラマ初主演を果たす山下智久 PHOTOGRAPH BY MAKOTO ISHIDA FOR NEWSWEEK JAPAN, HAIR AND MAKEUP BY ICHIKI KITA, STYLING BY NORIKO SUGIMOTO (WHITNEY)

<近年、海外作品にも積極的に参加しグローバルに活動する山下智久。なぜあえて海外を目指すのか。山下がロングインタビューで本誌に語った「挑戦の原点」「価値観の変化」「自分との戦い」 【特集 世界に挑戦する日本人20】より>

日本では映画やドラマの主演を数多く務め、「山P」の愛称で知られる山下智久。2020年に全編英語の国際ドラマ『THE HEAD』(Huluで配信中)にメインキャストの1人として出演したのを皮切りに、海外作品にも積極的に参加。20年10月に前事務所から独立した後は国際派俳優としての活動を本格化させ、来年は米仏日共同制作ドラマ『神の雫/Drops of God』(23年、Huluで配信予定)で海外ドラマ初主演を果たす。20220906issue_cover200.jpg

日本に活躍の場がありながら、なぜあえて海外を目指すのか。山下に、本誌・小暮聡子が聞いた。

◇ ◇ ◇


――小さい頃から、海外で仕事がしたいという気持ちがあったのか。

それはあとからついてきた感じだ。最初はどちらかというと、知らないカルチャーを知りたい、その中で人として自分の器を広げたいというところからスタートした。

まだ幼かったとき、アメリカ人のはとこが夏休みにいつも家に遊びに来ていて、靴のまま家の中に入ってきちゃったことがあった。僕も、アメリカは靴のままなんだ、というのを知らなかったから、向こうではオッケーでこっちではダメなこと、そういう文化の違いがあるんだなって。価値観の違いとか、そういうものを自分の目で確かめてみたいと思っていた。

そんななか11歳で前事務所に入り、子供の時から外国に連れて行ってもらって、そこで見たエンターテインメントの世界にはやはりダイナミックなものが広がっていた。小学6年の時、ジャニーさんが1カ月間アメリカ西海岸とハワイに滞在させてくれた。そのときの景色も香りも、すごく鮮明に覚えている。そこからずっと、(海外で仕事をすることを)夢見てた気がする。

人は、何になりたいか、何をしたいかによって目に入ってくるものが違うと思う。たぶん自分は昔から、どこかで海外につながるようなものを意識していた。それが大学生くらいでもう少し具体的になって、少しずつ輪郭がはっきり見えてきた。

――26歳の時に、日本テレビの企画でアメリカを横断する国道ルート66を一人で旅する経験をした。

英語への興味はずっとあったのだが、ちゃんと勉強したのはあの旅が終わってから。高校時代、英語は苦手だった。でもルート66のとき、通訳を通さず相手の言葉をもっと直接受け取りたいなと思い、帰国してから本格的に勉強した。でも、語学はどうやっても一日ではできないし、地道に続けるしかない。同じことをひたすら繰り返すという地味な作業をずっとやっている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米自動車販売、第1四半期は増加 トランプ関税控えS

ワールド

イスラエル「ガザの食料十分」、国連反論 物資不足で

ビジネス

トランプ氏、TikTok巡る最終案を2日に検討=米

ワールド

ロシアが和平交渉停滞なら制裁へ、米上院超党派議員が
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 8
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 9
    【クイズ】2025年に最も多くのお金を失った「億万長…
  • 10
    トランプが再定義するアメリカの役割...米中ロ「三極…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 3
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥーが解明される...「現代技術では不可能」
  • 4
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 5
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中