独占インタビュー:山下智久はなぜ海外を目指すのか
来年は海外ドラマ初主演を果たす山下智久 PHOTOGRAPH BY MAKOTO ISHIDA FOR NEWSWEEK JAPAN, HAIR AND MAKEUP BY ICHIKI KITA, STYLING BY NORIKO SUGIMOTO (WHITNEY)
<近年、海外作品にも積極的に参加しグローバルに活動する山下智久。なぜあえて海外を目指すのか。山下がロングインタビューで本誌に語った「挑戦の原点」「価値観の変化」「自分との戦い」 【特集 世界に挑戦する日本人20】より>
日本では映画やドラマの主演を数多く務め、「山P」の愛称で知られる山下智久。2020年に全編英語の国際ドラマ『THE HEAD』(Huluで配信中)にメインキャストの1人として出演したのを皮切りに、海外作品にも積極的に参加。20年10月に前事務所から独立した後は国際派俳優としての活動を本格化させ、来年は米仏日共同制作ドラマ『神の雫/Drops of God』(23年、Huluで配信予定)で海外ドラマ初主演を果たす。
日本に活躍の場がありながら、なぜあえて海外を目指すのか。山下に、本誌・小暮聡子が聞いた。
――小さい頃から、海外で仕事がしたいという気持ちがあったのか。
それはあとからついてきた感じだ。最初はどちらかというと、知らないカルチャーを知りたい、その中で人として自分の器を広げたいというところからスタートした。
まだ幼かったとき、アメリカ人のはとこが夏休みにいつも家に遊びに来ていて、靴のまま家の中に入ってきちゃったことがあった。僕も、アメリカは靴のままなんだ、というのを知らなかったから、向こうではオッケーでこっちではダメなこと、そういう文化の違いがあるんだなって。価値観の違いとか、そういうものを自分の目で確かめてみたいと思っていた。
そんななか11歳で前事務所に入り、子供の時から外国に連れて行ってもらって、そこで見たエンターテインメントの世界にはやはりダイナミックなものが広がっていた。小学6年の時、ジャニーさんが1カ月間アメリカ西海岸とハワイに滞在させてくれた。そのときの景色も香りも、すごく鮮明に覚えている。そこからずっと、(海外で仕事をすることを)夢見てた気がする。
人は、何になりたいか、何をしたいかによって目に入ってくるものが違うと思う。たぶん自分は昔から、どこかで海外につながるようなものを意識していた。それが大学生くらいでもう少し具体的になって、少しずつ輪郭がはっきり見えてきた。
――26歳の時に、日本テレビの企画でアメリカを横断する国道ルート66を一人で旅する経験をした。
英語への興味はずっとあったのだが、ちゃんと勉強したのはあの旅が終わってから。高校時代、英語は苦手だった。でもルート66のとき、通訳を通さず相手の言葉をもっと直接受け取りたいなと思い、帰国してから本格的に勉強した。でも、語学はどうやっても一日ではできないし、地道に続けるしかない。同じことをひたすら繰り返すという地味な作業をずっとやっている。